190 久しぶりのシュメールの街
俺達は準備をして
シュメールの街へと繰り出す。
途中でメセタが話し出す。
「そういえば我が君……ここで最初まだ契約前のユーミルと会ったんですよね」
「そうなんだよな……あの時は本当にびっくりしたし」
茂みから勢いよくびゅんと飛び出してきた何をかを俺はキャッチする。
ぷるぷるした何かであった。
メセタが
「スライムですねぇ……可愛いものです」
と言っていたのが昨日のようだ。
エリクスは
「それで?そのあとは」
「うん……それでね」
俺は
「これがスライム」
「『お姉ちゃん』」
は?俺はお姉ちゃんでは無い!
「いやいや俺はいいかい?君……俺はお姉ちゃんではなくお兄ちゃんだよ」
と説明する。
するとスライムは
「そうなんだね……お兄ちゃん……」
ここで従魔契約をするんだ。
「その後に名前付けたんですね」
「そう!ユーミルの名前はその後で付けたんだけど……俺がメセタに聞いたんだよ……先に名前を付けていたらどうなっていたかをそうしたら『消滅してしまいます』と言われてもう、焦ったよ」
と言うと
エリクスが
「うわあ!!俺も先に名前付けなくて良かった!」
と言う。
マチルダ、アマンダ、リューの事を言ってるんだな。
そうだなあの子達も契約してから名前を付けたからな……。
「そうなんです!従魔契約前に我らに名前をつけてしまうと我等は存在を維持できなくなってしまうのですよ」
と、メセタが言う。
ここでメセタに前の従魔契約者いたかを確認する。
「メセタお前ってさ……俺以外に従魔契約者って居たのか?」
すると
それに興味があるのか
尻尾を高速に振るう高速狼になる。
(居たみたいだな)
「居たのですよ!当時私の契約者だった『テュポン』様が……あ」
(え?テュポンって俺の親では……)
すぐ側の木にもたれ掛かる俺はメセタに心配された。
契約者が契約が破棄されるってのはどういう時なんだろうと俺は思った。
「実は最初我が君の家に行って我が君が出てきた時……私はテュポン様が生き返ったと思ったのです!我が君はテュポン様にかなり似ていて……」
「テュポンってたしか俺の親だよね」
「……はい。……我が君……」
たしか運命の神テュポンだったか。
生き返った?死んだの?
俺は悲しくなり涙を流す。
メセタが慌てて俺の足に抱きつく。
「我が君!……すみません!」
と涙を流して謝ってくる。
事情を聞くと俺の父と母は死んだ訳ではなく
神は定期的に転生を繰り返す者と永久悠久の時を生きれる者の二通りあるという。
俺の母親たる
知恵の神メセタと俺の父親たる運命の神テュポンはどちらも転生期を迎えいまはまだ降臨前だと言う。
それで生き返ると言ったのかメセタ。
ならいつの日か父と母が転生期を終えてまた降臨するその日まで
待っています!
そして歩きながら話しながら久しぶりのシュメールの街に到着する。