140 おやつはドーナツです
俺はフライパン奥義で
ドーナツ用の生地を錬成していく。
(錬成って言葉であってるかは不明)
その姿はやはり神様のように皆は見えてしまっているのだろうなと俺は思う。
でもリッカは紙に何かを書いている。
このフライパン奥義をメモっているのだろうか?
するとリッカが
「この麗人さんモデルの神様列伝はきっとベストセラーになります」
とか言っていたからメモでは無いだろうと判断した。
(俺モデルの神様列伝ってなんやねん!?)
と心の中でツッコミを入れておくことにする。
エリクスはリッカのその言葉で
「兄貴列伝か……良いね」
と言っていたけど
(神様列伝とは言っていたけど兄貴列伝とは言ってないぞ!?)
とそっちにも心の中でツッコミを入れておくことにする。
ユーミルもソファに居たが少ししんどそうだった。
俺は
「ユーミル?身体しんどいのか?」
「少し……」
「部屋まで戻れそう?」
「無理かも……」
「エリクス!リッカ!ユーミルを頼む」
「「わ、分かった!ユーミル」」
と言って
ユーミルのお腹と頭を優しく撫でる。
ユーミルはにこにこして
「ありがとう」
と言ってそのまま寝てしまう。
今度の木曜日が出産予定日である。
一応水曜日の昼までにはスライム産婆は来てくれる。
その時にクラウドお義父さんとゾニルフ会長も来るらしい。
(そういやゾニルフ会長にもお父さんっていつか呼んで欲しいって言われていたな。)
父か。
そういや転移から父と母には会っていない(当たり前だけどな)
会長は子供がいないって言っていたけど……俺を息子として迎え入れたいとかなのかな。
だとしたらそのいつかの時には
(父さんって呼ぶことにします……会長)
そして皆でドーナツを食べました。
皆、喜びの顔をしていました。
俺は満足です。
昼は何を作ろうかな。
……
……
side
ゾニルフ
「ぶへぇっくし!」
「会長……風邪ですか?」
「いやきっとまた跡取りくんからだよ」
「跡取りくんですか……なんかすごい人らしいですね」
ふふんとすまし顔のゾニルフは秘書のアルドに
「そうなんだよ……なんたって『ランドグリズリー』を従魔にしていてそのランドグリズリーは人間モード可能でね!私があった時は人間モードで執事姿だったよ」
と言うとアルドは後ずさり
「えええ!?」
と叫ぶ。
それが普通。
「すごいって域では無くなってるような……三体従魔でハイランドウルフ、ヴェネフィットスライム、ランドグリズリー!?
魔力どうなってるの!?」
それも想定内の反応だ。
「まあ、それも思ったよ……かなり手練とは思っていたけどあの子はとんでもない魔力と素質を持っている……だからこそ私の息子として迎え入れたいと思う」
side
ゾニルフ
end