9 冒険者ギルド
「ほれ、果実水だ」
銅貨を置こうとしたが、奢りだそうだ。良いものを見せて貰ったお礼だそうだ。
「お前さん、試験でEランクパーティーを1人で倒したそうだな」
Fランクはお使いクエストばかりだから、実力を見てもらう為にと説明すると、マスターは笑い出しコレでも食って大きくナレと骨付肉をくれた!
「こ、これは漫画肉!」
不思議そうなマスターをほっといて齧りつく。ウマイ!
「すいません、アルトゥルさん」
さっきの受付嬢の人だ。
「ふぁい、ゴクン!失礼アリーヌさん」
「いいえ、食事中申し訳無いですが、ギルドマスターが呼ばれてますのでついて来て頂けますか?」
急いで食べて、マスターにお礼をして付いて行く。
ノックをし入室すると、大きな机に大量の書類の奥にギルドマスターが座ってる。
「済まないな。そこのソファーに腰掛けて待っててくれ、区切りが悪いのでな」
座ると案内してくれたアリーヌさんが、お茶の用意をして退室する。
暇なので、ショーコちゃんと話すかな?知識の書庫ね。
やあ久しぶり。
安直な名前だし、それに暇な時しか相手にされず独り夫の帰りを寂しく待つ、わ・た・し。
放置し過ぎて、壊れたようだ?取替出来るかな?
残念でした!変えれません、…代えないで下さいよ〜。
段々弱気になるなよ、おっさんの相手は変な奴じゃないと努まらんぞ。
今は、初な幼児だよ!それに前の姿は私は知らないよ。
そうなんだ。じゃあいっか、いつも此処で何してるの。
この世界の情報収集とかかな?小さな事は面倒くさいし膨大になるからしないけど、大まかな事とか。
そうなんだ、じゃあそろそろ出るかな。
え!えっちして行かないの?
誰がするかよ!精神世界だよな?どうやってするんだよ!まあいいや、じゃあまたな。
早く帰って来てね、あ・な・た。ちゅっ!
やっぱり交換に出さそう、キャラが崩壊をし始めてる。この話題は、棚の上に置いとこう。
「待たせたな」
「いいえ、忙しそうですね」
書類の雪崩に気をつけて欲しい、崩れたら発狂しそうだ。
「先に告げておくが君のランクはDだ。本当はCでも良いと思うのだが、…年齢がな」
「ありがとうございます、F以外なら何でも良いので、取り敢えず街の外に出れますので」
「そう言ってくれると助かる、それに治療の件も助かった。まさか回復魔法まで使えるとはな、剣術と魔法に回復…オールラウンダーだな」
睡眠学習したのでチートですよ。年齢だけはどうにもなら無いので諦めます。
「彼等は君に報酬を払いたがってたぞ」
「見て見ぬ振りが出来なかったので、別にいいのですが」
「少しだけ聞くが、答えたく無かったら答え無くて良い。……記憶保持者か?」
まあこれだけ目立つともう無理だよね。それに他の保持者の情報を聞けるかも知れない。
「……はい」
「そうか、ホルダーに会うのは初めてだな」
「他の記憶スキルを持ってる者の事を知りませんか?」
「私の知ってる事なら教えられる、と言ってもわりと有名な人物だよ。ゲルマン帝国の現皇帝、ライアス・ド・デンゼル皇帝だ」
帝国と言うと、戦争大好き力こそ全て!とか言いながら侵略とかやっちゃう国なのかな?
「先に言っておくが、現皇帝は代々記憶の引継ぎを行うので初代であっても見た目が違うので、23世だからな」
なるほど!記憶の引継ぎか、一子相伝の技も継承出来そうだな。俺にも出来るのかな?
無理だよ。アルくんは1代限りでお終いだよ、子孫を私と創ろうね。それとこの世界は、わりと平和だよ。戦争はここ数千年起きてないよ!
精神世界で創ってどうするんだよ!てか急に出て来るな、びっくりするだろ!平和なんだ、のんびり暮らせるか。
「他に私が知っているのは、数百年前の記憶の持ち主とかだが、君は違う様に見えるな」
「そうなんですね、自分はまだ曖昧で自分自身の事も朧気なんですよ」
誤魔化しておこう、異世界者はいたりするのだろうか?
居るよー!この世界では稀人って呼ばれるよ。もう待つだけの女はイヤ!…暇なの。
へーそうなんだ。もう勝手に出てくるのはスルーだな…。好きにしてくれ。
「私が知っているのはこれくらいだ」
「ありがとうございます」
「帰りにカウンターでカードを、受け取って欲しい」
他に聞きたい事も無いので、そろそろ帰るかな。
「では、失礼します」
「変わった事があればまた来てくれ」
ギルマスの部屋を出て、カウンターへ向かう。
「アルトゥルさん、こちらのカードをお返しします。冒険者は自己責任になりますので無茶はしないでね」
「はい、アリーヌさん」
訓練のついでのはずが、訓練して無いな。
さてと、今日は帰るかな。
「ちょっとまってくれ!」
うん?あ〜ギルマスが言ってた回復の報酬か。別に気にしなくても良いんだけどな。
「さっきは助かった、ありがとう」
「気にしないで下さい、ではそろそろ家に帰りますので」
「待ってくれ、報酬を払いたいのだが救護館みたいな高額は出せないのだが」
「では今度、ここの酒場でお昼御飯でも奢って下さい」
「それだけで良いのか!?本当に助かった」
挨拶を済ませ家に向かう。今日の晩御飯は何だろうな。