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3 幼少期

「アルー、あそぼ〜!」

ドアを開けると、今日も元気なアーちゃんことアニスが顔を出す。数年後でもこのまま可愛く育って欲しい。


俺は、たぶん普通だよな?水面に写る顔を見たがこの世界に鏡が無い。代替品は有るが金属を磨いてるだけだ。


……そうだ!錬成スキルが有るから、作れるじゃん。ガラスは高いけど普及はされてるし、父さんに材料仕入れて貰っとこ!


「ちょっと待ってね」

「どうしたの?何か難しい顔してたけど」

「良いこと思いついただけ!すぐ戻るね」


父さんの工房に行き、材料代は自分で払うと告げて、仕入れて欲しい物を説明する。


「アーちゃんお待たせ」

「もういいの?」

「上手く出来たら、アーちゃんにプレゼントするね」


キョトンとしているアーちゃんの手を握り外へ行く。

「お昼ごはん迄には帰って来なさいよ」

「「はーい」」


この地区は大小様々な店が建ち並ぶ、アニスの武具店と家の工房は隣接している。同い年の幼馴染だ、将来も可愛いままでいてくれ!


「2人でどっか行くのか?」

「うん」

「ホレ、このリンコ持っていきな!」

八百屋のおっちゃんが、リンコを2つ投げて渡してくれる。3才児に投げ渡すなよ、まあ取れるけど。


銅貨を2つ投げ返す。

「あん?奢りだぞ?」

「気持ちだけ貰っときます、後ろで怖い顔の人が見てますよ」


「アル坊の方が解ってるね!」

「げ!いつから見てたんだよ」

「最初からだよまったく、商売において無料(ただ)より高いもん無いんだよ!」


「おばさん、アーちゃんと遊びに行ってきます」

「最近モンスターも出るから、街から出ないようにね」

「「は〜い」」


「アーちゃん、はいコレ」

1個のリンコを手渡した。地球の林檎だよな?前世で見た食べ物は多いけど、調理と味付はかなりお粗末だ。


どうにかしたいけど、他の記憶持ちも居る。俺以外のプレイヤーに任せるかな。

俺ばっかりやらかす訳にはいかないもんな。


商業ギルドの特許申請に真新しい物は、まだ出て来てないもんな。鏡は、先走ったかな?まあ何とでもなれだ!


「アーちゃん、今日は何するの?」

「向こうの広場に行くの」

花畑かな?よし!花冠を作れば良いんだな。小さい頃作った事あったけど、上手く出来たら良いな。


花の名前なんて興味は無いので、覚えて無いが前世でよく見た花は沢山あるな。あの花なんだっけ?


吸うと、甘い蜜が味わえる花だ。田舎暮しだったからよく蜜に木苺、何でも口にしてたな。けっこう毒性の強い物もあったがお腹壊したかな?


懐かしんでると、目的地へ到着だ。流石お花畑だ女の子が多いな。ペドやロリでは無いが将来に向けて育てないと!


「アーちゃん、この花を集めて欲しいな」

「ふーん。良いよ」

まず始めに土台を作り、輪花にして行く。

「今度は好きな花を色々持ってきて」

「うん!」


土台にアーちゃんが集めてくれた、カラフルな花を疎らに刺し付けて…完成!

「アーちゃん、ちょっと屈んで!」

女の子の方が発育が良いから、背は負けてる。将来は抜くよね?


頭に乗せて上げると、お姫様の完成だ!

「うん!可愛いよ。アーちゃん」

「ありがとアル!」


興味津々な女の子達が集まって来る、アーちゃんは満面の笑みで答えてるよ。そして…。

「私も欲しい!」

と、女の子に囲まれる!(幼女やお母様方)


「ねえ、アルくんだっけ?あなたサンベル工房の?」

「そうですよ」

「まあ!新型のピンズコンロはとっても使いやすいのよ、アルくんが作ったんでしょ?」


もう、使ってくれてる人が居るのは嬉しいな。奥様方に量産をお願いされるが、如何せん制作は俺1人だからね。花冠を作りながら、そんな話しをする。


そろそろお昼御飯の時間なので、家に帰るとしますか。他の子や奥様に御礼を言われながら、家路を目指す。


「アーちゃん、また遊ぼうね」

「うん!」


アニスを家に送り、自分の家に帰る。

お昼御飯を済ませると、昼からは工房での作業開始だ。


「アル、頼まれてた硝子と銀と銅は届いてるぞ」

「ありがと、父さん」


父さんは何を作るのか、興味津々の様だ。硝子に銀を錬成スキルで薄く延ばす、その上から銅を伸ばせば完成。魔法って便利だ!


「な!これは鏡か!!それにアル、錬成スキル覚えたのか?」

「たまたまね」

木枠を取付けたら完成だ。同じ物を3個ほど制作し、母さんとアニスと商業ギルドへと持って行く。


母さんもやはり女性だ、喜んでくれたのでアーちゃんの家に行って来るね。


「こんにちわエレナさん」

「お昼は作業じゃないの?」

「アーちゃんとエレナさんに使って貰いたい物があって」


「アル!」

アーちゃん、まだ花冠を装備してたのね。丁度いいか。

「上手くいったから持ってきたよ」


鏡を覗き込んで、自分の顔を見てる。

「アルちゃん、これって鏡じゃないの!」

「試作ですが使って下さい。ただ従来の鏡より、壊れやすいので気をつけてくださいね」


「アル、今日はいっぱい貰ってるから」

横にいたアーちゃんがほっぺにチュっとしてくる。

「お母さんとお父さんがやってたの!」

エレナさんは、自分の痴態を晒され慌ててる。


「好きな人に、するから良いのよ!」

「私はアルのこと好きだもん」

うん、元がおっさんだからこの光景も微笑ましいな。


一度、家に戻り父さんと商業ギルドへ向う。子供1人だと侮られるからね。

ギルマスはそんな事しないけど、他の商人が絡んでくるからね。


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