20 決闘
誕生日のお祝いから一夜が明け、平穏な日常が過ぎて行く。
今日は、ギルドへ顔を出すかな?朝から行くのは久しぶりだ。
扉を開けると、言い争う声が聞こえる。依頼内容で揉めるのは日常的にあるから関わるのは辞めとこう。
目ぼしい依頼が無いかチェックだ。
「おいそこのガキ、お前じゃそのランクは無理だろ?」
Cランクだから、1つ上まで依頼は可能だ。この辺じゃ俺に絡む奴は居ないので、他所から来た冒険者だろう。
無視が1番だ。
テンプレ宜しく絡まれるのね!?それで訓練場で対決イベントキター!!
相変わらず元気だねショーコちゃん。
「ちっ、無視かこのガキ!」
男が近づいて、…来ないだと!?只の冷かしだったようだ。
残念だったね。
ホント玉無し野郎だよ!
ショーコちゃん荒れてる?口が悪くなって無い?
「済まないな君、連れが不快にさせた」
パーティリーダーぽい人が、話し掛け謝罪をしながら近づいて来る。
「Dランク力の残響のジブリル・フォン・ソシュールだ。王都から商業都市まで、護衛依頼で訪れたのだが許して欲しい」
「御丁寧に有難うございます。Cランクソロのアルトゥルです、謝罪は受け入れます」
「な!このガキがCだと、嘘を言え!」
この戦斧を背負ってる人は短気何だね、折角ソシュールさんが謝罪に来たのに。
ガン!と戦斧さんの頭に杖が落ちる。
「ニクラスのバカ!ジブリルが誤ってるのに何でそう問題ばかり起こすの?」
「イッテェ、何しやがるマリーア!」
放っといて先行こう、面白い依頼は無かったので適当に狩るかな。
「ナニ勝手に、去ろうとしてるんだ!」
「謝罪も受取ましたし、残る理由も無いし貴方が僕を引き留める理由は、僕には関係ありません」
凄く面倒くさい。これは狩りでストレス発散して来よう!
「勝負しろガキ!」
「メリットが無いので、お断りします」
「俺に買ったら金貨1枚だ!」
「興味無いですよ、1枚でしたら直ぐ稼げますよ。せめて10枚かな?」
「よせ、ニクラス!君も煽る言い方は辞めてくれるかな?」
「絡んで来たのはオジサンですよ、面倒くさいので決闘受けますが1人金貨10枚です。パーティで相手しますよ」
「おい!アルの奴が絡まれてるぜ」
「決闘らしいぞ」
野次馬冒険者が野次馬を呼ぶ。話が大きくなるなぁ。皆お祭り好きそうだな。
「それは侮辱してるのか?」
「Dランクですよね?僕は、Cランクですから当然だと思いますが」
「良いだろう後悔させてやる」
「なんで男はこう血の気が多いの?まあ私はジブリルに着いて行くだけだしいっか」
「イルゼさん、訓練場使わせて貰いますね」
「アルくん、手加減してあげてね。貴方は実質ランクAなんだから」
そうなんだよね、狩りばかりで依頼を受けて無いからCなんだよね。日帰り出来そうで面白そうなのが無いんだよ!
日帰りしないとソフィーやアニスが煩いからね。
訓練場に着くと野次馬が沢山集まって、賭事が行われてる。俺は1.1倍だ、成立して無いな。自分に賭けるのは辞めとこ。
「装備は何も着けて無いようだが、負けた時の言い訳なのか?」
「いつもこうですので、気にしないで下さい」
「決闘だから死んでも、罪にはなら無いからな!」
「謝るなら今のウチだぜクソガキ!」
わ〜三下のセリフキター!お約束万歳だね。
ショーコちゃん、どっからポテチなんて出てくるんだよ!
剣を構える。
「テメー巫山戯てるのか!そんな物で!」
まあ木剣だし、殺す事は無いだろうな。
「一撃届いたら、ちゃんと相手しますよ」
「では行くぞ!」
「後悔して死ね!クソガキ!!」
そんなに振りかざして、大振りは当たらないよ。
「オジサン、真っ先に死ぬタイプですよ。相手の出方も解らないのに、そんな大振りは隙だらけです」
木剣で額を軽く突く。左手で押さえてるけど、あれで血が出るなんて鍛え方が足らないよ!
「このガキ!俺はまだ20歳だ!」
「え!?え〜〜」☓野次馬多数
ホントだ鑑定して見るとそう書いてる!
「おっと、これが作戦ですか?油断を誘うなんて、正直侮ってました」
驚いてる最中に、ジブリルが水平に斬り付けるが交わす。
交わした先に水弾が飛んでくる。
木剣に魔力を流し強化して、全弾撃ち落とす。
「そのスピード、パワー、マナでは僕に勝てませんよ」
「このガキーー!」
だから大振り過ぎだって!正面から受け止める。勿論強化してるよ、まだ10歳では負けるに決まってる!
「な!止めただと」
胴を薙ぎ払う!何本か骨は折れた感触だ。
「ぐはっ」
「ハイ1人目、終了です」
「水槍☓3」
「ハッ!」
「キャァーー!」
魔力波だけで吹き飛ばす。
「2人目です。貴方はどうしますか?」
「最後までやらせてくれるかい?数々の無礼も許して欲しい」
「解りました。最後に少しだけ本気を魅せます」
木剣を魔法の袋に収納する。ネックレスのトップを握り、魔力を流す。
「魔力武装!」
オリハルコンに魔力が流れ眼前に片刃の剣が具現化する。
「なに!それは太古の技術だぞ。文献に少ししか残って無いので、再現不可能な筈」
「再現に成功したんで、諦めて下さいね。魔力消費が大きいので、剣だけにしますけど」
接近して間合いを詰め、5回程剣を振るう。
「なに!間筋が見えない」
ジブリルの剣が輪切になり、バラバラと地面に落ちる。勝負有りなので剣を解除すると魔力が霧散する。
「これで納得出来ましたか?」
「ああ、済まない」
「金貨30枚は、受付のイゼルさんに渡して置いて下さいね」
「解った」
戦斧のオッサンに近づく。今だに脇腹を押さえ油汗を流してる。
「納得出来ましたか?」
「この通りだ、すまなかった」
「回復。大振りの癖は直した方が良いですよ」
「何だと!?回復魔法まで…各違い過ぎる」
魔法使いのお姉さんも回復掛けておくか。
「回復お姉さんは、魔力の込め方が甘いですよ。集中力を付けて下さいね」
「あ、ありがとう。うん頑張るね」
「イゼルさん、面白そうな依頼が無かったので、適当に狩って来ますね。後金貨30枚は子寺院に寄付しておいて下さい」
「解ったわ。無茶しないでね」
訓練場を後にする。
「これを」
「はい、お預かりします」
金貨30枚を渡す。ジブリルは受付嬢に問いただす。
「彼は何故、ランクCなんだ?AかSでは無いのか?」
「アルトゥルくんは4歳でDランクでしたが、依頼数が圧倒的に足りないんですよ。実質Aですよ。幼馴染の子と伯爵家の御令嬢の、ソフィアール様が泊まりを許してくれないんです。意外ですよね、尻に敷かれて。ふふふ」
「彼に訓練されただけか、痛い出費だったが勉強になった。それに…全額寄付か」
「ジブリルすまねぇ、金は必ず返す。俺が絡んでしまったのが悪い」
「そうだよ!私の分もだよ」
「知るか!」
2人は言い合いを始めてるが、ジブリルは何時もの事なのでと放置する。




