18 貴族
ふぅ〜こんなもんかな。第7部隊までの皆さんは、地面に寝転がってる人や座り込む人で賑わってる?
「最後に私と相手してくれないかな?」
バルデスさんがラスボスかな?ここまで派手に暴れたので結構疲れたんだが、念の為マナポーション飲んでおく。
「はい、お願いします」
「では、…いくぞ!」
一足で接近され、剣筋は真っ直ぐ自分へ向けて振り降ろされる。小手盾でパリイし、反撃に木剣を振るう。空を斬り裂き交わされ、後ろを取られるが目でまだ追える。
それに探索スキルが仕事してくれるので、見失っても第六感の感覚で発見出来る。それから互いに剣を振るうが、剣で防がれるか交わされる。
負けじとこっちもパリイするか交わすが、本当強いねバルデスさん。盗賊に襲われた時に居たら、俺はイラン子だったね。
「強いですね、バルデスさん!」
「剣は互角のようだ、アルトゥルくん」
「お父様!凄いですよ、バルデスと互角なんて!」
「ああ、ここまで強いとは」
「魔法を使ってくれても構わない」
「そうします!付与火」
「な!付与魔法まで使いこなせるのか」
「私を助けて頂いた時は、雷を付与してました」
「高等付与もか、益々彼とは友好を結んでおきたいな」
「行きますね」
「来い!」
身体強化も使って全力だ!少し当たる様になってきたが、致命打には遠い。それにあの鎧には魔法抵抗が付与されてるのか?ダメージは入って無い。
あの鎧はねミスリルで出来てるよ、だから魔法が効きにくいよ。
じゃあオリハルコンとかヒヒイロカネなんかもあるの?
あるよ、どっちも高いけどね。
流石ファンタジーな世界だな。
動きが雑になってきたので、俺も数回貰ってる。アレを試すか!?
「付与風」
自分自身への付与だ!魔力の消費が大きいし、身体への負担が大きいので長くはもたない。
「自身へ付与だと!」
「さあ、行きます!」
瞬時に懐へ入り水平に木剣を振るう、たたらを踏むが体勢は崩した。一気に行く…ぞ?
アレ、急に身体から力が抜ける。時間切れのようだ。地面に大の字に寝転ぶ。
「ま、魔力切れです。…僕の負けです」
「あのままヤッていたら、君の勝ちだよ。それにこの鎧はミスリルだから、魔法抵抗が強いんだ。装備分のハンデもある」
「魔力配分と総量に課題があるので、要鍛錬です!次は、勝ちます」
「魔力総量はかなりの物だとおもうが?」
「アル!大丈夫?」
親子も駆け寄る、傷自体はなんて事は無いので魔法の袋からマナポーションを取出し飲む。
一息着いたので、騎士団達も回復させますかな。
「範囲回復」
「な!回復魔法だと、しかも高等回復」
知ってて貰う為に敢えて使う。ゲドラ教に対しての後ろ盾になって貰いたいから。俺が留守の間に何度か来たらしい、それが煩わしいからね。
「この魔法のおかげで、最近家を訪問する方が増えたので知って置いて頂きたいので使いました」
「例の教会だな、彼処は私も好ましく思っていない、民から多額の請求を取り贔屓の貴族優先だからな」
守銭奴とコネは何処も一緒だよね。
「私が、流行り病に掛かった時は多額の金を請求をされ、ソフィーが掛かる頃には商業ギルドから特効薬が出来て一安心したよ」
その薬も自分がギルドへ、レシピを贈ったと伝える。
「幼馴染の母親が流行り病に掛かって仕舞、鑑定した時にレシピを調合しました」
まだ教会狙われたく無いのと、ギルドへの恩返しにレシピを譲った事も伝える。
「そうだったんだね、これからは私の名前を出しても構わない」
これで少しは落ち着くかな?
「アルは凄いんだね!私の病気も治してくれてありがと」
治したのは、ギルドと錬金師さんだけどね。
「伯爵様、もしもの話ですが。…回復と病気の治療が出来る魔道具が開発出来たら新しい救護館を設立出来ますか?」
「なに!出来るのか!?もし開発出来たら私が国王様と相談させて貰うぞ」
え?そこまで大げさになるもんなのか!?
当たり前だと思うよ、この世界の人の値段は安いわよ。
俺やらかしちゃった?どんな顔すれば良いかな?
笑えば良いと思うよ。
ハハハハ!ネタをありがと。何年か開発して先延ばしにするか!
それが良いね。もう少し成長してからでも遅くないよ。どうせアルは長生きするしね。
そうだね。この世界では100歳まで生きていたいな。
(もっと生きてると思うわよ)
うん?
何でも無いわよ。伯爵さん放置しすぎないようにね。
「開発に成功出来たら声を掛けさせて頂きますね」
「ああ、吉報を待っているからな。ちょくちょく私の騎士も工房へ顔を出すように言っておく」
「それは助かりますね。ではソフィーにプレゼントをあげる」
「え!何かな?」
魔法の袋から150cm位の姿鏡を取り出す。
「あ!最近人気の鏡だわ。ひょっとしてコレもアル?」
「うん、実践してアイデア料金を商業ギルドから貰ってるよ!3割しか貰って無いからね」
「安すぎないかい?」
「その分錬成師さんに、回して貰ってます」
「まだまだ、造りたい物もあるので。先ずは回復の魔道具です!」
魔法の袋から容量小さい袋をだし、ソフィーに渡す。
「コレに魔力を流して」
「こう?」
淡くピンズが輝くので、登録完了だね。
「うん、それで袋の口を開けて鏡が入るように念じて」
シュポンと消える。
「太古の技術だぞ!まさか…」
「コレは、まだ好評して無いので他言無用でお願いします」
「君は、何でも有りだな。皆聞け!今まで見た事は他言は許さん!」
「はい」☓多数
「その袋はソフィーにプレゼントするね。普通の家、一軒分で時間停止付きね」
「アル、ありがと!」