16 日常2
朝になり朝食を食べ終わると、アーちゃんが迎えに来るが今日は遊べないと話すと怒り出す。
「今日は、遊べる約束よ!う゛〜」
約束した覚えは全く無いのだが、一日置きが当たり前になってたから。
女の子の約束をすっぽかすなんて、サイテー!私の約束も破って他の女と遊ぶからよ!
どっちの子とも、約束した覚えが無いんだが…。
洗濯機造りたかったが、遊びながら構造を考えよう。
「そ、そうだね、遊びに行こうか!?」
「うん!いこ」
手を惹かれ、今日は噴水広場へ連れて行かれる。あまり来た事無いので少し新鮮だ、屋台を出して食べ物や小物が売っている。
「ねえアーちゃん、屋台観て周ろうよ」
「良いよ、可愛い物もいっぱい観ようね」
食べ物は、先程朝食を摂ったばかりだしね。
2人で時計回りをしながら、ウインドショッピングしてると髪飾りの屋台で足を止めるアーちゃん。
「コレ可愛い!」
へえ~、雪の結晶見たいな髪飾りだ。アーちゃんの頭にアテてみる。
「可愛いよ、凄く似合うよ!」
「坊主確かに嬢ちゃんに似合ってるが、銀貨5枚だ」
へ〜コレだけ器用に造ってるのに安いな、これは買いだな。
「おじさんはい、これ買いますね」
魔法の袋から、銀貨5枚を取り出し渡す。
「坊主は金持ちだな、魔法の袋なんか持っていやがる」
「こう見えても、冒険者で狩りをしてますので」
そのまま髪飾りをアーちゃんに着けてあげる。手鏡を取出しアーちゃんに渡す。
「アルありがと、大好き!」
「おいおい、それは鏡じゃねーか!」
「鏡を置けば、もっと売れるかもしれないよ。女性は自分に似合ってるか見たいはずです」
「それはいい事を聞いた!コレは礼だ」
雪結晶のリングを貰ったので、アーちゃんに着ける。右手で良いよね?
アーちゃんは満面の笑みだ。この世界で初めてのアクセサリーを贈った。
今日はこれで帰ろうかな。洗濯機も造りたいので、でも工程が多いから難しい。水が入り、洗いをし脱水だ。う〜ん…。
何でそんなに難しくするの?清潔で綺麗になるのに。
あ!魔法で良いのか。でも既存の魔道具とか有りそうだね。
無いけど、クリーンを生業にやってる人が泣くよ。
それは駄目だね。
洗濯機じゃなくて、食洗機だったら良いんじゃない?後片付けの手間が減って助かるんじゃ無い?
そっちがあったね!それにしよう!それとこの世界にステンレスの概念は無いよね?
無いわね。
先ずは、ステンレスの特許からやりますか。包丁とか、鍋にも使えるしね。
「アーちゃん、帰りに商業ギルドに寄って帰りたいから良いかな?」
「良いよ」
商業ギルドに到着すると、いつもの受付嬢に声を掛けられる。
「こんにちわ、アルトゥル様。本日の御要件は、マスターをお呼びしますか?」
「イルゼさん、こんにちわ。本日は、仕入れたい物が在りまして。鉄、クロム、ニッケルの鉱物を手配出来ますか?」
「出来ますが、クロムとニッケルとは一体何でしょうか?」
「え?」
プークスクス!この世界でそんなに分けてある訳無いじゃん。自分で、掘りに行かないと。
どうやら単純に鉄、銅、金、銀、白金しか採って無いらしい。レアメタルもいっぱい捨ててるのかな?鉱山へ行って見るか。
「鉱山へ直接行って観ますね。自分が探してる鉱物を見たいので」
「それは難しいと思われます。鉱山は国とその領地の貴族様が管轄してますので、無断での侵入に盗掘は死罪になります。新たに鉱山を発見しても、国へ届出が必要になりますよ」
行き成り詰んだ…。貴族とのパイプも無いし、どうする事も出来ないな。鉄で造ると錆が出るので手入が手間だし、木で造ると腐食か…漆を塗ればいけるか?木もまた問題だな。
「そうですか、もう少し調べてからまた来ます。有難うございます」
「はい。行動を起こす前には、何でも聞いて下さいね。今回の様に知らないと大変な事になりますから」
「そうします、では失礼します」
商業ギルドを出て次は…冒険者ギルドで精算して帰るか。
「次は、冒険者ギルドへ行くね」
「アルとだったら、何処でも付いて行くよ」
冒険者ギルドの扉を開くと、集まる視線を感じるが何時もの事で直ぐ霧散する。
だが今日は、ずっと注目を浴びる。何で?
冒険者ギルドに似使わない、騎士が居るからかな?
まあ気にせず、解体場へ行き親方に会う。
「こんにちわ、親方」
「おう坊主解体は終わってるぜ!今回の肉は食用には向かないがどうする?一部の物好きかスラムの連中や子寺院で消費するくらいだな」
「では寄付でお願いします」
「彼処は不人気だから、素材の価値は高いから十分な利益になるぜ!また頼む」
内訳票を貰い、解体場を後にする。
受付で見せると、金貨3枚と銀貨20枚を貰う。因みに商業ギルドの鏡のマージンは日に金貨1枚〜2枚くらい入ってる。もうこの歳で遊んで暮らせそうだ。
「アルトゥルくん、あの騎士様がお話があるそうですが」
「今日はアーちゃんが居るので、送ってからでしたら良いですけど」
「君の名前が聞こえたので、割り込ませて貰ったが送りを私の部下じゃ駄目かい?」
騎士を街中で、襲うバカはいないと思うけど。
「アーちゃんはそれでも良い?」
「今日はアクセサリーまでプレゼントされたから良いよ、また明後日ねチュ!」
こんな一目の多いとこで…冒険者や受付嬢達から冷かしを受ける。
「念の為、2名付いて送って来い!」
「「はっ」」
「有難うございます」
「なに、無理を言ってるのはこちらだ。それでは馬車に乗って、移動しながら話そうか」
何処かへ連れて行かれるらしい。
そしてアルは奴隷としてこき使われ、鉱山で王子様と友情が芽生えるのね。
もうⅤまでいったんだね。因みに俺の父さん生きてるよ。