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14 奴隷

街に着くと、門の前にはギルドの関係者と言うかギルドマスターが待っている。

「ご苦労さま。騎士の方が、小さい子供の冒険者に助けられたと聞いてね。やっぱり君か、伯爵家の御令嬢も感謝を伝えたいと申されてたぞ」


「それは、パスでお願いします」

「だが貴族には面子というものがあるからな」

「ははは…。忙しい子供と、いいわけで交わして下さい」

「善処はする、ところでこちらの方々が人質かい?」


「はい、なので後はギルドに任せても大丈夫ですか?少し用事があるので」

「マスター!耳を貸してくれ」

ディンさんが、耳打ち説明をする。まあ大勢に聞かせる話じゃ無いからね。


「な!それは本当かい!?本当にそうならギルドに宣戦布告となり得る案件だぞ!」

「頭領だけは、燃やさず魔法の袋に居ます。ロサナさん本人であればオークションに出品されるので、僕が合法的に買取をして、その後商会の対応はギルドマスターにお任せしますね」


「と言う訳だから、俺たちは探しに行って来る」

「解った、あとの対応はこっちでやっておく」

まあしょうこちゃんに調べて貰ったから、店も場所も解ってるから敢えて探すフリだ。


数店舗目で、調べてもらったラング商会が母体の奴隷市場へやって来た。

「本人が居ても知らぬ顔でお願いしますね」


「ああ、だからモレナの面倒はドルグに任せたんだよ。ドルグの奴は、モレナに惚れてるからな!」


「なるほど、無口だから解り辛いですね」

大きな会場の門には、案内人らしき人物が立ってチェックを行なっている。


「お客様、申し訳ありませんが未成年のご入場は特別な方しかお通しできません」

「失礼、僕は商人でもあるのですが駄目ですか?」

カードを魔法の袋から取り出し、案内人に手渡す。


「コンロや鏡の発案者様ですか、支配人をお呼びしますので少々お待ち下さい」

流石商売人だ、知っている人は居るんだな。


「始めまして、支配人のブレトンです。この度はお越し頂き光栄です、アルトゥル様」

名前もバッチリ記憶されてるね、まあ良いけど。


「本日は、どういった要件でしょうか?」

「新しく魔道具を造るのに、助手が欲しいので散策中ですね。自分は見た目がご覧の通りなので、保護者兼護衛の冒険者さんと廻っています」


「立話もアレですので、こちらへどうぞ」

応接室へと案内され、お茶や茶菓子を出される。甘味は高級品扱いなので、荒稼ぎしてるのが良く分かるな。


「すいません、お茶のお代わりを頂いても?色々周ったので喉が乾いてしまって」

「構いませんよ。それ程熱心に捜されていると言う事は、次の魔道具も素晴らしい物なのでしょうか?」


喰い付いた様だ!

「売出してみないと分かりませんが、その為の助手探しですね。出来れば付与スキルを持ってる方が良いですが、無ければ自分が教えますので魔力の高い人。後は、う〜ん…そうですね。自分も幼いですが男です、若い女性の方が良いですね」


「ハハハハ、それはそうでしょうな。もし宜しければ明日オークションに出す人物ですが、見ていかれますか?」


「そうですね、スキルの詳細も見せて頂けますか?」

「勿論ですとも」

鈴を鳴らし人を呼ぶ、耳打ちをして暫くすると冊子を持って来る。


「こちらの奴隷になります」

冊子を覗く。

ロサナ(16)人族

借金奴隷

スキル

魔法 付与


うん、妹さんだね。

「この女性は、本日購入は出来ますか?」

「明日のオークションで、金貨5枚は超える上物ですので…」


「金貨10枚払いますよ。個人的な謝礼に金貨3枚でどうですか?」

「……よろしいのですか?」

「勿論です。早く制作に移りたいので」

「判りました。奴隷の印は首輪と直接刻めますが、どちらにされますか?」


「肌は綺麗な方が、好みなので首輪でお願いします」

「かしこまりました」

鈴を鳴らし人を呼ぶ、手続きの書類を持って来る。書いてる間に身支度をさせるそうだ。


書き終えると、書類を1枚渡し金貨支払う。

「ディンさんは少し、ここで待って居て下さい。護衛でも、僕の所有物を見られたくないので」


「ハハハハ、お若いのに好き物ですかな」

違うよ、知り合いだとバレない様にしたいだけなので。


youやっちゃいなよ!


だからな、まだムスコが成長しとらん!


別室に移動し、首輪を受取る。

「こちらに、血を1滴お願いします」

チクっと針を刺し首輪に垂らす。これで登録完了で、俺には逆らえないそうだ。


「始めまして、貴方を買わせて頂きましたアルトゥルです」

顔は青いが、鑑定で見ても状態異常は無いので一安心だ。


「まだ生娘ですので、お愉しみに」

「身体が成長して無いので、暫くは無理ですけどね」

「そうでしたな」


首輪を取付ける。

「最初の命令だ!家に帰るまで、表情はそのままで一言も喋るな」

「…はい」


「なかなかの趣味ですな」

だから、そんな趣味は無いって!女の子にはずっと笑顔が1番だよ!


応接室に戻り、ディンさんと合流する。事情を知ってるディンさんは、表情を変えず淡々と護衛に着く。


「本日は、有難うございました。またご入用の際はよろしくお願いします」

市場を後にし、家に向かわず冒険者ギルドへ向かう。


途中で首輪を隠す様に、スカーフを巻いて上げる。市場付近は目立たないけど、抜けると目立つもんね。

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