表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/52

13 盗賊

宝と言っても大した物は置いて無いな、剣をはじめとする武器防具。

宝石類は何処かの、商人や貴族から奪ったのだろうか?


予備の魔法の袋の方に、仕舞いこんで置くかな。うん?この矢鱈動き廻ってるのは誰だろう、ココは終わったので行って見るか。


洞窟内を歩く事数分、其処に居たのは1匹のスライムだ。

「唯のスライムか、この世界のこいつって害獣扱いだっけ?」


基本は何でも食べちゃうだけだし、ダンジョンでは掃除屋さんだね。


スルーで良いか、此処が綺麗なのはコイツが転がってるからだろうな。


突然地面が光だし、見た事無い魔法陣が浮かび上がる。その魔法陣はスライムを包み込み……消える。


しょーこちゃん、消えたよ。


う〜ん…何処かに転移したっぽいけど、この世界のどこにも出て来て無いのよね。ほんとに消えたっぽいよ?


まぁ。しょーこちゃんで解ん無いじゃ、俺じゃ増々解らんな。

他は何も無さそうなので、5人固まってる場所へ行こうか。


鉄格子の中に、5人の女性と少女が見える。

「助けに来ました」

「子供?誰か来る前に逃げて!助けを呼んで来て」

どうやら迷子だと思われたらしい…。


プークスクス!


あー…早く大人に成りたい。


アルはチビっ子が可愛いからそのままで良いんだよ!クスクス。


お姉さん方にカード見せて、冒険者ランクDと商業ランクCと年齢で驚かれる。

「今開けますね。錬成」

グニャっと、鉄格子を曲げて出口を作る。


5人は出て来て、お礼を言ってくれる。ここまで関わったので、出来る限りはするつもりだ。


「もう少しで、迎えが来ると思うので外で待ちましょう」

幸い捕まったばかりで、酷い扱いは受けて無いらしいが男達は殺されたらしい。


奴隷として売るつもりなので、手を出さなかったのか定かでは無いが幸運だと思う。

光が見える、出口だ。まだ、迎えは来ていないので暫く待つか。


温かいスープでも作るかな。魔導コンロに火を付け、鍋を用意する。そこに魔法で水を入れる。


出汁とか創りたいな、海で色々仕入れたい!この国は内陸だから遠いよ。いつか行って、食生活も変えたいな。基本的この世界は薄味だ、折角若返ったからもっと濃い物も食べたいな。


因みに女性人には、魔法の袋に興味津々だ。滅多に見れ無いそうだしね。完成したので器に容れて渡す。自分ではイマイチだが、女性人には好評だ。


「おーい!」

スープを啜ってると、そんな声が微かに届く。マップで確認すると数人の護衛と馬車だ、迎えの到着だ。


「よう!久しぶりだな」

確か試験でお世話になった、理想郷の壁(アルカディア)のアタッカーさんだ。

「皆さんが、護衛依頼を受けたのですね」


「騎士の1人がギルドに知らせてくれてな、小さな子に助けられアジトに乗り込んで行ったと聞かされてな。多分アル坊の事だと思ったよ」


「ディン!先に行っちゃうなんて酷いよ〜」

「久しぶりだ」

メンバー勢揃いか、他にも数名知らない顔が居るがギルドで見かけたような気がする。


「呑気にメシを食ってるてことは、もう終わりか?」

「ええ、盗賊は全滅させました」

「その歳で、人が殺せることに驚くぜ」

「モンスターと一緒ですよ、馬車に女性達を乗せて帰りますか?」


「待て待て!盗賊のお宝は見つけた奴の物なんだぞ」

「あ〜なるほど、それなら全部僕が回収しましたよ」

そう言って魔法の袋を見せる。顔が明らかに残念がってるな。


馬車はゆっくり、商業都市ベイリアルを目指す。道中暇なので少し聞いてみる。

「魔法使いのお姉さん、少し聞きたい事があるのですが?」


「そう言えば名前教えて無かったわ、私はモレナよ。私と、遊びたくなったの?」

それはステキな提案だが如何せん、まだナニの成長も済んでない…無念。


アルの貞操はワタシがまもる〜!いえその前に頂いちゃえば良いんだ!


だからそっちじゃ出来ないだろ…


魔法の袋から取り出したローブを見せる。

「このローブの持主は判りませんか?」

「コレって、ロサナのローブかも!私の双子の妹だよ、近々王都から遊びに来るって言ってたしね」


「盗賊の頭領が着てました」

「ウソ、…ヤダ、ナンデ?」

歩みを止め、その場で崩れ座り込む。

「どうした?」

ディンさんにローブの事を詳しく説明をする。


「クソ!モレナは、楽しみに待ってたのによ」

「待って下さい!そのローブを着て居た人は、2日前に街の奴隷市場に連れて行かれてました。魔法使いの奴隷は高く売れたと言ってましたから」


しょうこちゃん奴隷市場に、モレナって言う人居る?


仕方ないか、今回は同じ女として共感は持てるからね。調べるわ………居るね!ラング商会の奴隷部門で、明日オークションが開かれるよ。そこで出品だってさ!


ありがと、助かるよ。


「街に着いたら、奴隷市場で探しましょう」

「だけどよ、一回奴隷に落ちちまうと物扱いだ!それが非合法だとしても」

「では、合法に買取しますよ」

「金貨10枚以上するぞ!クソ、借金してでも買取ってやる!」


「大丈夫ですよ、僕が買取ますから。資金はここの盗賊から頂きましたからね」

人助けの資金なら惜しくは無い、犯罪や借金奴隷とは違い非合法なら尚さらだ。


「アルくん、ありがとう〜お姉さんアルくんのためなら何でもしちゃうよぅ」

「では涙を拭いて、いつもの可愛い笑顔を魅せて下さいね」

よけい泣かせちゃった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ