#1-1
今日から夢を記録していこうと思う。
昨日は、高校の卒業式だった。
あまり、いい思い出はないが友達に恵まれ
楽しかった。
そして、遊んで帰り疲れきった時の夢。
まず、僕が覚えている限りでは
怖いわけではないが、早く家に帰りたい(覚めたい)だった。
夢とは、沢山の人や物が混ざり、それに不思議さを持たず、夢から覚めれば気づくという
厄介な物である。
僕もそうだった。
最初は自分の家にいて、父親と何故か喧嘩していて父親を突き飛ばし父親は壁に頭をぶつけた。父親は意識がなくなり、僕は隣にいた姉に助けを求めた。
しかし、姉は微動だにしない。
とても、腹が立った。
母親が三階にいることに気づき
大声で母親呼んだが返事はない。
三階まで上りようやく、呼んでいることに気づく母親は、父親を見て泣き崩れた。
が、その瞬間、まるで夢から覚めるように
父親は意識を取り戻し、何事もなかったかのように家族に振る舞う。そして、家族も同様に。
僕はこの瞬間、おかしいとまではいかないが
少し変な感覚に陥った。
僕はまだ夢だと知らない。
自分の最寄り駅にあるデパートへ一人で出かけた。
(買い物を頼まれたから??)
今思えば、現実のデパートとは少し違う。
細かくは再現されていなかったが、夢は厄介
だから全く気づかない。
そこに、今一世を風靡している芸人が座っていた。声をかけたが、少し面倒くさそうな顔をされていてコロナという理由で写真はダメだった。
夢の中までコロナなのか。
僕はまだ夢だと知らない。
その人達が自転車に乗って街に溶けた。
僕は、急に焦燥感に駆られ家に帰りたくなった。
今思えば、知らない道を知っているかのように自転車を走らす。
家につきそうな予感はしていた。
しかし、夢はまたもや厄介な生き物。
そいつは、僕が気づかないうちに道をバラバラにして違う道に接合したらしい。道を走らせると、何故か海にでた。ビーチリゾートのような。
凄く綺麗な海で家があちらこちらに建っている。流石に、僕も変に思った。
夢に負ける気がしない。
ちょうど船から人が降りた。
海を自分から触るのが怖かった僕は、
その人に海の水をかけてもらった。
冷たかった。本当の水か。
だけど、塩の匂いがしない。
僕は夢だと確信した。
だが、夢を覚める術を知らなかった。
僕の記憶は夢に改竄されているようだ。
そこで、一人の少年に会った。
顔はない。110センチくらいだろうか。
僕は知らないが少年は僕を知っていた。
僕はその少年を連れて自転車を走らせた。
ふと気づく、ポケットに手を入れるとスマートフォンが入っていた。
スマホで、現在地から自分の最寄り駅までの道のりを調べようとした。
しかし、上手く調べられない。
アプリが勝手に起動してしまうし、
文字をちゃんと打ったつもりでも違う文字に変わっていて道のりすらもわからない。
使えないケータイめ。
夢はハッキングすらできるのか。
自転車を走らせた。
夢はまた意地悪をした。
次は、都会のような大きな通りになり
右にも左にもデパートのような大きさで、
なおかつ、ネオンや照明が多用されていて
鬱陶しかった。それが僕を焦慮する。
しかし、僕には顔がない少年がいる。
少年は心強かった。
少年は僕に言った。
「来た道を戻ろうよ。」
僕は後ろを振り返った。が来た道ではない気がした。僕には知らない道だ。
だけど、帰れる自信があった。
少年がいたから。
来た道に自転車を走らせた。
様々な道を抜けた。
まるで日本を一周したかのように。
突然、友達が目の前にいた。
「遅いぞ。何やってんだよ」
待ち合わせをした憶えはない。
少年はいつのまにか消えていた。
友達は話を続ける。
「この間、夢から覚めたんだけど〇〇はまだ
覚めてないんだってよ」
夢を見るのは僕だけじゃなかった。
僕は目を瞑った。
すると、何かが遠く離れていく感覚になった
遠く遠く、そして深くに。
ここで、やめてしまえば、また夢に入ることになる。だから諦めなかった。
何回か繰り返しているうちに、夢から覚めた。
いつものベッド
いつもの勉強机
最近買った本棚もある。
やっぱり、夢だったのか。
凄い充実感があった。
この充実感がたまらなく好きだ。
少年に感謝しなきゃな。
それにしても、また見たい。
次は意地悪すんなよ。