表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢になったんで推し事としてヒロインを溺愛します。  作者: 273
ルート4 憧れのあの子とホテルに行こう!
82/87

空気読め!私とヒロインとお邪魔虫と!

短編「カレー王国ができるまで」「この毛、なんの毛、気になる毛?!」というものを書いたのでよければ読んでください。

 三咲は私たちから少し離れた場所でsiriを起動させいくつか質問を投げかけた後、手際よくスマホを操作をして最終的にはどこかへ電話をかけていた。


 どんな内容かは聞き取れなかったけど、口調が珍しく敬語を使っていたので、ホテルの予約をしているとみた。雨風しのげる場所ならどこでもいいから一部屋とれますように……っ! 願いをこめるようにお祈りポーズをしまくる。


そして電話を終えた三咲が真っ先に開口したのは――


「一部屋とれたぞ」


「んまあ、やるじゃない!」


 手首がシワシワになるくらい祈った甲斐があった。霧の晴れるような喜びでハイテンションでいれば、


「ついでに俺も泊まることにしたから」


「はあぁ!?」


 とんでもないことを言い出した。愛理というヒロインに媚びず、むしろ避けていた男がお泊りルートを自分で作り出してくるとは予想外。喜びで満ち溢れていた心も殺意剥き出し。こめかみから青い血管がよく吹き出しそうな勢いと共に猛抗議。


「違う部屋なら一万歩譲るけど、どうしてあんたと同じ部屋にならないといけないわけ!? 空気読みなさいよおバカ! それとも何? もしかして私の目を盗んで愛理といい雰囲気になろうってんでしょ?! あーやだやだ、すかしたフェイスして考えているのは卑猥なことばーっかり!」


「喋んな淫乱尻」


「あら? 淫乱なんてお言葉を使うなんて金持家のお里が知れるわね!」


「お前もな。すげぇブーメラン」


 道の真ん中で堂々と噛みつく桃尻エリカVS適当にあしらう金持三咲。そしてそこに仲裁に入りこむ天使。


「いいじゃないですか桃尻さん。私は三人で泊まれると嬉しいです。今日は三咲くんにたくさん助けてもらえましたし、お互い譲り合えば楽しいお泊りになるかもしれませんよ」


 うっ、そう言われたら三人でお泊りするしかないじゃない。桃尻ルートを回復させようと夢中になりすぎて幻滅されちゃ元も子もない。


「そうね。私としたことがついカッとなっちゃったわ。今日は仲良く3ピィ……三人でお泊りしましょう」


「えへへ、やった。三咲くんホテルの予約とってくれてありがとう」


「大したことしてねぇよ」


「私からもお礼をするわ。あ、り、が、と、う、ご、ざ、い、まー……す!!!」


「微笑みの爆弾かよ」


 こうして私たち一行は、今夜宿泊するホテルへと歩き出した。愛理の靴擦れが酷くならないため、なんと三咲が背負いだしたときは発狂寸前。手に刃物があれば迷わず男の方を確実に襲っていた。そんな二人を恨めしそうに睨みつけては、夜の更けた飲み屋街を通り過ぎていく。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ