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プロローグ
初めて投稿しました。可愛がってやってください。
気が付くと俺は、どこまでも真っ白な世界にいた。
全身の感覚がない。いや、意識だけがこの広大な空間にたゆたっているのだ。
「小さきものよ、汝は何を望む。」
突然世界に何者かの声が響いた。同時に俺の全存在が揺さぶられるような気配が空間を満たした。
本能が告げている。今俺に話しかけているのは、人智をはるかに超えた存在。
人間が神とあがめるものに近しい存在であると。
そして俺が望めば、それがどんな望みであろうと叶えられるのだと。
俺は何を望む?
自分に問いかける。
富、名誉、力。
頭をよぎったそんな言葉を俺は鼻で笑う。
くだらない。
そんなもの俺の真の願いの前では爪の先ほどの価値もない。
俺が望むもの。一度失い、決して再び得ることはないとあきらめていたもの。
「俺はーーー」
そう、俺が心の底から欲するもの、それはーーー
「髪の毛を取り戻したい。」
「汝の願い聞き届けた。」
そして、願いは叶えられた。