アパートのワンルームにて〜3〜
「さて、まずは自己紹介が先かの?」
巫女服を着た自称神さまは、マグカップに注がれた緑茶をすすりながら話し始めた。
「我の名は茜。見ての通り神さまじゃ!」
見ての通り?どこが?巫女服姿の神さまなんて聞いたことないぞ?
ツッコミどころ満載である。
「えっと、茜さまって呼べばいいのか?」
「んむ、それで良いぞ。」
茜は満足げに踏ん反り返る。
「それで?茜さまはなぜこの部屋に突然現れたんです?」
健吾は質問を続ける。
「そうじゃな、我は神様と言うてもまだ新米でな。天界にも神さま達を取りまとめる長がおるんじゃがの。長に『お前はまだまだ未熟だから地上で修行して見聞を広げて来い!』って言われて蹴落とされてなぁ…」
蹴落とされて?パワハラなのか?
健吾は心の中でツッコミを入れる。
「気がついたらこの部屋のソファで寝とった。と言うわけじゃ。」
蹴落とされた先が大学生が借りてるアパートの一室って一体どうなってるんだ?さらに寝てたって随分と呑気な…
「と言うわけで健吾よ、しばしの間我をこの部屋に置いてくれ!」
身を乗り出し、健吾の顔に自身の顔を近づける。
「…近い。」
反射的に手で茜の顔を押し返す健吾。
「なっ、なにをするかぁ〜」
「あのなぁ、突然見ず知らずの女が『私は神さまだ、だからこの部屋に住まわせろ』って言われても神さまだなんて信じられないし、まず知らない人を泊めるだなんてありえないだろ。」
当然だろう。
いきなりなんの準備もなく、見ず知らずの女性とひとつ屋根の下で暮らすだなんて御免被る。
「むぅ〜心が狭いのぉ〜」
「いや、大半の人は僕と同じ意見だと思うけどな…」
その時、突然窓の外が明るく光りだした。
続く。




