アパートのワンルームにて〜2〜
「…で?その自称神さまは、なんだってこんな冴えない大学生の一人暮らしの部屋に入り込んでるんですか?」
あらためて、健吾は自身のことを神さまと称した女性に問いかける。
「これこれ、あまり自身のことを貶すでないぞ。『ねがてぃゔ』なことばかり言うておると悪鬼達に付け入られてしまうでなぁ。」
女性はそう言ってドヤ顔をしている。まるで『私いいこと言った!』と勝ち誇らんばかりに。
「…以降気を付けます。ってそれより!僕の質問に答えてくれませんかね!?」
思わず健吾の口調が強くなる。
「確か玄関も窓も鍵をかけてから出かけたはずなのに、そもそもここ3階だし入って来られるわけが…」
ブツブツ言いながら狼狽する健吾。
この青年、落ち着きもあまりないようだ。
「まあ落ち着け。話すと少し長くなるんじゃがなぁ」
自称神さまは眉根を寄せ、口を尖らせて面倒くさいと言いたげな顔をする。
「まあよい。話してやるからなんか飲み物出してくれんかの?できればあったか〜い緑茶がええんじゃがの。」
図々しい限りである。
不法侵入のくせに。
「…わかりましたよ。聞きますから、ちょっと待っててください」
健吾はしぶしぶキッチンに向かい緑茶を用意しだした。
今時は緑茶のティーバッグなんかがあるので便利である。
健吾が部屋に戻ると自称神さまはケラケラ笑いながらテレビを見ていた。
威厳ゼロである。
(ホントに神さまなのかこの人?)と痛烈に思う健吾であった。
続く。