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第96話

皆さん台風は大丈夫でしたか?




 現状の一番の問題は、暗殺者が逃げ込んだ迷宮(ダンジョン)への対応になる。

 一応、冒険者ギルドが兵士と協力して監視体制を整えているが、もしもモンスターが溢れたら一大事になる。

 鉄材で入り口は塞いではいるが、何処まで耐えられるかは不明。

 それ以外にも不安がある。

 それが、今回の暗殺者の行動である。


 王牙の知りうる限りでは、まず領主を狙った事。

 だが、これは神楽の乱入により失敗した。

 次に、聖女シーラの暗殺。

 これも、神楽の放っていたネズミゴーレム隊によって阻止され、暗殺者は迷宮へと逃れた。


「……相手の思惑が判らんなぁ……」


 王牙が腕を組んで天井に視線を動かす。

 今回の襲撃によって一番得をする所は何処か。

 一番に思い付くのは帝国だが、モンスターによってサガナが壊滅した所で、占領した訳ではないのだから領土とは呼べないのだから、根拠は薄い。

 逆に、シーラ暗殺が一番の狙いだったのではないか、とも思えてきた。

 もしも、シーラがサガナで殺害されていた場合、王国と聖王国の間で国際的な大問題になる。

 しかし、それを帝国側が指摘する訳にもいかない。

 逆に帝国以外だったらどうかとも考える。

 まず魔王国。

 話によれば、現在の魔王国は凄まじい強さの魔王が君臨し、それによって統一しているが、圧制している訳ではなく、寧ろ、善政で民の生活基盤が安定しており、帝国以外の国とは和平条約を締結している。

 しかも、今回の獣王国の敗戦で逃げ込んできた難民を全て引き受けているという。

 これから考えるなら、魔王国は一番無い。

 そして、獣王国は論外である。

 そんな事をするくらいなら、戦争に戦力を向けていただろうし、真正面からの力を尊ぶ獣人にとって、暗殺という方法は一番嫌われる方法なのである。

 一番判らない国という点では、妖精国になる。

 巨大な森の中に存在し、住民の殆どがエルフ族らしいが、とにかく情報が無い。

 まず、そのエルフ達が森から出てこない為、情報は森の外に出て来る変わり者(・・・・)からしか入手出来ない。

 そんな妖精国のある森だが、好んで入る他の種族はいない。

 理由としては、まず純粋にモンスターが強いのだ。

 サガナでも脅威とされているビッグタートルが最底辺の中の最底辺クラス。

 上を見ると、聖王国にいる古代龍(エンシェントドラゴン)クラスの龍がいるらしい。

 ただ、龍に関しては、森から出てきたエルフが伝承として話しているだけで、実在しているかは不明。

 そんな排他的なエルフが、態々他国に対して行動を起こすとは考えにくい。


「……やはり、情報が少な過ぎるな……」


「チュー助達にもう少し調べさせますか?」


「チュー助?」


 神楽の言葉に聞き返すと、神楽の手の上に白いネズミが落ちて来る。

 そして、手の上で立ち上がると、綺麗にお辞儀をした。


「そして、こちらがチュー太郎です」


 逆側の手に黒いネズミが落ちて来ると、同じ様に綺麗にお辞儀をした。

 この二匹が、神楽が使うネズミゴーレム達のリーダーになっているのだ。

 性能は王牙が自重せずに作った為、ぶっ飛んだ性能になっている。

 骨格はオリハルコン、筋組織も最上級素材、マナタンクも小さいながらも空気中のマナを自動充電していく為、無期限。

 爪と牙にはアダマンタイトを使用した為、普通の鉄程度ならあっさりと齧り取る。

 最初、神楽から注文された時は何に使うのか判らなかったが、現在、このネズミ型ゴーレムが神楽の手によって増産され、サガナ中にばら撒かれている。

 しかも、感覚共有が行える為、重要な情報をその場で知る事が出来る。

 ここだけの話であるが、現在もネズミ型ゴーレムは増えている。

 最も、増産されたネズミ型ゴーレムは、素材のランクが落ちる為、その性能は据え置きになっているのだが。


「…………まぁお前のネーミングセンスは置いとくとしてだ、現状だと迷宮に逃げ込んだ暗殺者をとっ捕まえて、自白させるしかないな」


「それは些か難しいでしょうな」


 炎尚の言う通り、迷宮の入り口は封鎖され、監視もされているのだ。

 もし、馬鹿正直に迷宮に向かっても、門前払いされるのがオチだろう。

 しかし、そうなると()が動くまで、対処が出来ない。

 後手後手に回っているが、目的が見えない以上、どうしても後手になってしまうのは仕方無い事ではある。


 そうしているとドアがノックされ、ジーナが夕食の準備が出来た事を告げた。

 いつもなら神楽が準備しているのだが、今回は神楽が報告の為に準備出来ない為、ジーナ達が準備したのだ。

 日夜、神楽によって指導されている為、当初に比べて腕を上げたらしいのだが、全て任せたのは今回が初であり、もし及第点を取れなければ、神楽の指導が一段と厳しくなるらしい。

 そんな事を炎尚から聞きながら、王牙が食堂に向かう。

 神楽は、外でマドゥーラのゴーレムを洗っている神威達を呼びに向かっている。



 神威とマドゥーラ、リルが食堂にやって来ていつもの席に座ると、夕食が始まる。

 ジーナ達の夕食は、一応王牙の屋敷付きのメイドという事になっている為、別室になるか、後の時間になる。

 今回は、評価を聞かないとならない為、同室待機となっている。

 メニューとしては、パンに生野菜サラダ、ポトフ風のスープ、そしてメインにオーク肉の塊ロースにスパイスやら色々を刷り込み、じっくりとオーブンで焼き上げたローストオーク。

 このスパイスやらは、全て地下にある食糧庫にあった物を使用しているのだが、いずれは無くなるので、商人等から探している最中である。

 主に神楽が買い物をしている際に調査しているのだが、結果的にはそれなりにと言った所。

 王牙としてはジャポニカ米も欲しい所だが、此方は芳しくない。

 商人達も米の存在は知っているらしいが、何処で手に入るかも不明。


 因みにジーナ達の結果だが………


 不合格に近いが一応合格という事で、神楽の指導は多少優しくなるらしい。

 減点になったのはスープで、スパイスを多く使っていた為、そこを神楽に指摘されていたが、他は合格であった事で何とか免れた。


 そうして食後に椅子に座りつつ、王牙が今後の事を考えていると、神楽が来客を告げた。

 既に外は薄暗くなってきており、急ぎでなければ相手に失礼になるので来ないような時間である。

 取り敢えず、王牙が応対する為に別室に移動する。


 しばらく部屋で待つと、神楽が来客を連れて入って来た。

 そして、一礼して神楽が退室し、入れ替わりに炎尚が紅茶のカップを乗せたワゴンを押して入ってくる。


「……で、何の用なんだ?」


 紅茶を一口飲んだ後、王牙が目の前に座っているクックに切り出した。

 クックは紅茶の香りを嗅いだ後、カップを机に置いて王牙の方に視線を向ける。


「……お前さんトコのあのメイド、天使か?」


 クックの言葉に、王牙が不思議そうな表情を浮かべる。


「そりゃ何処情報だ?」


「領主閣下だ。 更に言えば、領主邸にいた騎士やらメイドやら、目撃者も多数だ」


 クックのその言葉で、王牙は悟った。

 『こりゃ随分と面倒な事になりそうだ』と。




台風19号凄かったですなぁ・・・

実は私の住んでいる所も避難指示が出た為、急遽避難所に避難しておりました

まぁ昼前に指示は解除されたので良かったのですが・・・・・・

連休最後の日は、庭に飛んできたゴミ掃除となりました


出掛ける予定なんて台風来るから無かったけどな!


面白いなーとか続きを読みたいなーと思ったら、ブックマーク・評価してくれると、作者がすごく嬉しくなります


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