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オニコジ! ~鬼神覚醒編~  作者: ジョージ
7/8

6

 戦。


 と言っても、これは子供同士の戦いである。


 むしろ喧嘩といってもいいくらいだ。


 戦う理由は、遊び場の争奪戦である。


 遊び場の争奪戦と言っても、この時代の子供にとってそれは死活問題なのだ。


 そう。


 この時代の子供はただ遊ぶのではない。


 弥太郎達がいる霞村は、妙高高原近くの小川を遊び場とし、そこで川魚を取ったりして小腹を満たしていた。


 遊び場を失うという事は、霞村の子供達が食糧危機に陥る事を意味している。


 子供同士の喧嘩とはいえ、これも戦であった。



「はーっはっはっはっはっ! この小川は俺達、柳村が占拠したぜ!」


 隣村の子供達が高笑いしながら、河原の岩場に陣取っている。


「待てー!」

 

 そこに弥太郎達が大声を上げてやって来た。


「来たな、弥太郎!」


 どうやら弥太郎の武勇は隣村にも轟いているのか、柳村の子供達は一斉に警戒した。


「やい、柳村! ここは俺達の遊び場だぞ! とっとと出ていけ!」


 弥太郎の友人、長次が大声を上げて柳村の面々に向かって怒鳴り散らす。


「黙れ! 今日からここは柳村の遊び場よ!!」


 岩場の上に陣取ったリーダー格の少年がそう怒鳴ると、子供達が一斉に岩場から小石を投擲する。


 子供の腕力でも、十分死にかねない攻撃である。


 普通ならリーダー各の少年同士が代表して相撲で対決するのが流れなのだ。


 長次もその為に弥太郎に声をかけたのである。


 だが、投石合戦ではまさしく、総力をあげての命のやり取りになってしまう。


「待て! これは怪我じゃ済まないぞ!?」


 あまりにも無情な攻撃に、さすがの弥太郎も気色ばみながらそう叫んだ。


「はんっ! 死にたくなかったら失せろ! こっちは本気だぞ!!」


 柳村のリーダー格の少年はそう言うと、弥太郎めがけて石を投げつけた。


「皆、下がって!」


 弥太郎は大声を上げながら、子供達を護る為、彼らの前に出た。


 数多の小石が弥太郎めがけて飛んでくる。


 だが、


「ふん!」


 鼻息一つ噴くと共に、弥太郎は素早く腕を動かし、自身に向かって飛んでくる小石を空中でつかみ取り、掴みきれないものは身を翻して避けてみせた。


「お見事!」


 長次が拍手で弥太郎を誉めるが、当の本人はそれどころではない。


 弥太郎は、今この時も、柳村の子供達の手によって、投石の的になっているからだ。


 その時、弥太郎が掴みきれなかった小石が、河原に来ていた一人の少女の頭に命中した。


 小石は、ガツンっと音を立てて、河原に転がっていく。


 その小石には、ベットリと血がこびり付いていた。

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