第五話 橘唯の実力
本日三話めです。カミヤユウさんが戦闘の描写書きたくないと言っていた気持ちが分かってきました。
「先生は~、まだみんなの実力を知らないので~、模擬戦をしてもらいま~す。それではアインさんからお願いします~」
加賀先生にそう言われてアインさんがアリーナの中央に出る。
「先生、相手を橘さんにしてもらっていいかしら?」
先生は一瞬考えるそぶりをして
「そうですね~。橘さんなら総合ランクBですしちょうどいいですね。橘さんはいいですか?」
唯ちゃんがアリーナの中央に出る。
「僕は構わないよ。刀哉君につく悪い虫は僕が追い払ってあげなきゃいけないからね」
そう言って意気込んでいる。
「あなたのほうこそいいがかりもはなはだしいわよ!」
アインもいきりたっている。
「はいは~い。2人ともそこまで。じゃあ摸擬戦始めるから準備してね~」
言われて2人はデバイスを展開した。
「展開!遍く炎を統べる一振りの大剣 焔!」
「展開!二振りで一対の刃 月光 陽向!」
唯ちゃんはそう言って二振りの剣を展開した。これも神装デバイスのうちの1つだ。このデバイスは風を操ると言われている。
「あなたも神装使いだったのね。神装デバイスはデバイスが使い手を選ぶから適性がないと使えないんだけど・・・。面白いじゃない!」
アインは好戦的な笑みをうかべる。そして唯ちゃんのステータスはこれだ。
総合ランクB
魔力量 C
魔力攻撃力 C
魔力防御力 D
身体能力 S
攻撃力 B
防御力 B
身体能力に偏っている。
「ふん!魔力だけが全てじゃないって教えてあげるよ。僕に勝てるのは生涯刀哉君だけだからね」
加賀先生が中央に入る。
「準備はできたかな~?」
「ええ、おっけーよ」
「僕も大丈夫だよ」
そして火蓋はきられた。
「アイン・ルガート対橘唯の模擬戦を始めま~す。では、始め!」
開始直後に唯ちゃんが動いた。その身に風を纏って駆け抜ける。
「君は知らない間に地面とキスしてることになるよ!」
僕でも目でとらえるのは難しいほどの速度で移動している。僕は気配を感じて唯ちゃんの動きをとらえている。
「それはどうかしら。確かに速いわね。でもね、くるところを予想して動けば防ぐのはそんなに難しいことじゃないわ」
アインは唯ちゃんから放たれた斬撃を焔で受け止める。正直驚いた。アインの戦闘センスは群を抜いて高いな。
今度はアインが反撃をする。
「速さはあるけれど、攻撃が軽いわね。これが本物の攻撃よ!」
焔に炎を纏い唯ちゃんを潰さんばかりの勢いで撃ちつける。
「くっ!」
唯ちゃんが壁まで吹きとばされる。唯ちゃんがいた所を見てみると、地面が熱で溶けていた。
あのお姫様はなんて攻撃力してるんだよ。
「っ!つ~。さすがランクA、簡単には勝たせてもらないみたいだね。でもこのままやられっぱなしじゃないよ。行くよ!トルネード!」
アインが風の渦に包まれる。
「こんな目くらまし吹き飛ばしてあげるわ!」
風の渦を焔の一振りで薙ぎ払った。
「隙を一瞬でも作ってしまえばこっちのものだよ。風切り!」
アインを無数の斬撃が襲う。
「ただではやられはしないわ!エクスプロージョン!」
2人ともアインの魔法に包まれる。と、そこで加賀先生からコールがあった。
「2人とも戦闘不能みたいなので~この模擬戦は引き分けとしま~す」
どうやら2人とも死力を尽くした戦いで続行不可能となったみたいだ。
「2人ともお疲れさま。すごい試合だったよ。唯ちゃんも強くなっててビックリしたよ」
2人は疲労を隠せていないが、とても満足そうな顔をしている。
「ええ思ったよりもいい試合ができたわ。橘さん私と刀哉のチームに入らない?」
チーム?初耳なんだけど。
「アイン。いつ僕がアインと同じチームになの?」
アインはしれっと答える。
「そんなの私が勝手に決めたにきまっているじゃない」
すると唯ちゃんまで。
「刀哉君がいるなら僕はかまわないよ。あと僕のことは唯でいいよ。僕もアインって呼ぶから」
ええ~。僕の知らないところで話が勝手に進められてく。
「分かったわ。これからよろしくね唯!」
僕の意思は関係ないようだ。
「うん。よろしくアイン!」
もう諦めよう。
「ところで唯、チームも残すところあと一人になったけど、いい人知らない?」
少し考えるそぶりをみせて
「確実な情報ではないんだけど、どこかの国の皇女様が転校してくるらしいよ。総合ランクもBらしいから、もしその人がきたらそのひとでいいんじゃないかな?」
こんな時期に転校?ていうか学校始まってまだ2日なのに転校してくるんだ。僕がそう思っていると、アインも同じことを思ったみたいで
「こんな時期に転校なんていったいどんな理由なのかしら?」
「さあ僕には見当もつかないよ。まあ皇女様なんだしなにか深い理由でもあるんじゃないかな?」
「まあまあ、それよりもとりあえず休みなよ。あと1人の事はまた今度相談すればいいし。それにアインに唯ちゃんがいるんだから、あと1人のメンバーもすぐに見つかるよ」
「それもそうね」
「僕は刀哉君がいるならそれでなにも問題ないよ」
それもそれでどうかと思うが
そう、この時の僕たちは、この皇女様があんな理由で転校してくるなんて頭のかけらにもなかった。
僕の波乱の学園生活はまだ始まってもいなかった。
今日中にあと一話出せたらと思います。次の皇女様で一応ヒロインは最後になります。