一章 出会い編 第一話 出会い
本日2回目の投稿です。なかなか進みませんが長い目でみてください。
よろしくお願いします。
「これより攻略者育成学園日本支部の入学式を行う。一同規律!」
そういって総勢200人の新入生が立ち上がった。
「新入生代表あいさつ、アイン・ルガート」
「はい!」
元気よく返事を返し一人の生徒がステージに上がっていく。
「皆さんおはようございます。私の夢は誰も到達しえなかった迷宮の制覇です。
誰も見たことのない景色を・・・」
アインさんが新入生代表のあいさつをしている。でも僕の耳にはその言葉が全く入ってこなかった。失礼かもしれないけどただただアインさんに見とれてしまっていた。
「以上で新入生代表のあいさつとさせていただきます。新入生代表アイン・ルガート」
ここで一斉に拍手がおこった。僕はこんなきれいな人も世の中にはいるんだとのんきなことを考えていた。
のちにあんなことが起こるなんて、今にして思えばこのあたりから僕は呪われていたのでは?とさえ思う。
「これにて入学式を終わる。それでは各自自分のクラスに移動しろ」
僕のクラスはAだ。この学園では実力ごとにクラス分けされている。一クラス40人で、一番低いクラスからE、D、C、B、Aと上がるにつれて強くなっていっている。今の僕の力は総合ランクDで本来ならばCクラスが関の山なんだけれど黒羽学園長は僕の真のランクを知っているための割り振りだと思う。
「はぁ~、憂鬱だな~。総合ランクDでAクラスとか絶対に絡まれるじゃん。学園長ももうちょっと考えてくれてもいいと思うんだけど、はぁ~」
僕はそう文句を垂らしながら教室に向かった。
「みなさ~ん。席についてくださ~い。はい。私が1年間みんなの担任の加賀薫で~す。気軽にかおるんって呼んでくれていいですよ~。ちなみに先生は総合ランクAでっす。ぶいぶい~。どうすごいっしょ!」
担任教師である加賀先生のあいさつで若干教室の空気がカオスになった。かくゆう僕も頬を引き攣らせていたりする。なんとも軽そうな教師だ。ていうかこんな人が総合ランクAって冗談でしょっ!
「それでは自己紹介していきましょう。まずはアインさんからどうぞ!」
呼ばれてアインさんがみんなの前に出ていく。
「新入生代表のあいさつでもうみんな知っていると思うけど、一応自己紹介させてもらうわ。ルガート王国第2王女アイン・ルガートよ。総合ランクはAでいずれは世界で最強の攻略者になってみせるわ。目先の目標としては校内ランキングで1位になることよ。そのためにチームを組んでくれる人を探しているわ。できたらAランクの人がいいのだけれど、高望みはしないわ。我こそはと思う人は私と闘ってもらうので、そのつもりでよろしくお願いしますね。以上です」
アインさんの自己紹介が終わって教室が静まりかえった。まず校内ランキング戦というのは毎年行われている攻略者による世界大会への出場者を決める戦いのことだ。これは4人でチームを組んで戦い抜くものなので1人が強ければいいというわけではない。したがって強い人はチームを比較的組み易いわけなんだけど、アインさんの条件は正直厳しすぎる。さっき教室が静まり返った理由はこれだろう。まず総合ランクAの人なんか攻略者全体で1%ぐらいしかいない。そんな人が認めるような強者なんて早々いない。このお姫さまのチームはどうなることやら。
「次、夜神刀哉君。聞こえていますか~?夜神君の番ですよ~」
僕は思考を一時中断して、慌てて返事をした。
「はっはい!すみません!ぼんやりしていました」
「春だからってぼんやりしていちゃだめだぞ!はい!自己紹介よろしく~」
「え~と。夜神刀哉です。総合ランクはDです。よろしくお願いします」
僕の総合ランクを聞いたクラスメートたちは少しざわついていたが滞りなく自己紹介は終わった。
「それでは本日のメインイベント部屋割りのくじ引きタイムに行きたいと思いま~す。みんなも知ってのとおりこの学園は全寮制です。その部屋がいまだに決まっていないのはおかしいと思ったでしょ?それはこうやってくじ引きで決めているからで~す。因みに二人一部屋なので男女でペアになることもあるけど子供できちゃったとかはかんべんしてね~。それじゃあアインさんからどうぞ~」
さりげなく下ネタいれてきたよこの人。おっと次は僕の番だ。
「男子と一緒の部屋になりますように。男子と一緒の部屋になりますように」
「あれれ~。夜神君ってもしかしてそっちの人~?」
「ちっ違いますよ!」
僕は文句を垂れつつくじを引いた。
次の話で戦闘までいけたらなと思っています。