【3】女の誇り、男の悟り(前編)
PSPのせいで作業が大幅に遅れています!でもやめない。
昼下がりの橋の下、そこは滅多に人の通らない場所。
現代の風を逃れたそこには見慣れた二人の姿があった。
一人は二日前家を失った女で、一人は昨日の朝にこの世は平等に作られていない事を知った男である。
男は今日も無事昼食を終えれた事に感謝しつつ、静やかな午後のひと時を満喫しようとしていた。
その横で女は少し考え事をしている。
(…そういえば、あれからおフロ入ってないなぁ…。)
「風呂」
「フロ」「Huro」
…まぁ何でも良いが今は風呂と呼ぶ事にする。
風呂とは日々の疲れを忘れられる場であり、それに入る行為は女のステータスでもある(勿論、汚れを落とす場所でもある)。それを何と私は二日間も無視していたではないか!
色々戸惑う事があったといえ、体を拭くだけで満足感を得ていた自分があったのが、今では信じられない。
しかし、私は目覚めた…いや、気付いたのだ。自分が女として大切なモノを忘れていた事に。
ー風呂に入りたい!(願)
しかしこの家(?)に風呂はあるのか?そもそも村君は『風呂に入る』という行為自体知っているのか!?(←おい。)
まぁ知らないというのは可能性として無いだろう。私も一応女の端くれ、人の匂いくらい分かる。
実は村君はいい匂いがする。毛布が一枚しかないので、同じ布団で寝ているのだが…なんていうか…って、今この話をする意味無いじゃないか!
あー、何の話だったかな。そ、そうだ…風呂の話ね。風呂の話。
やはり風呂の有無は本人に直接聞くしかないだろう。聞かねばならない。でもその様な事を問う行為自体が失礼に値するのではないだろうか?
何も直接本人に聞かなくてもそれを知る方法などいくらでもある。
家宅捜索、誘導尋問、近所の聞き込み等がそれに当たるが、どれも時間がかかる事は否めない。こちとら一刻も早く風呂に入りたいのだ、そんな面倒な事をしている時間は無い。
聞くしかない、という八方塞がりな結論が出たので結局本人に問う事に。まぁ村君の事だ、感に触るどころか触る感すら持っていないかも知れない。
………言い過ぎた。
「あぁ〜。そう言えば今日、風呂の日だったなぁ…。」
「はぇ!?」
今まさに自分が聞こうとしていた事を言われてしまった愛内は、つい変な声を出してしまう。
「お、お風呂あるんだ…」
「あぁ、あるよ。良いのが。」
「あ…、ありがとう!」
「え…どう、いたしまして…?」
村野はまだ何も言っていないのに礼を言われ、よく分からないが話を合わせる。
「わ、私って入っていいの?」
「まぁ、俺の後で良ければ…。」
「全然オッケー!早速入ろう!」
「え?いや、まだ昼間だし…水も入れてないしなぁ…。」
「そうなんだ…いつ頃になるの?」「うーん、夕方には…かなぁ。」
「夕方…、楽しみだなぁ。」
その女の笑顔を見て、男は確信する。
…やはり奴は準備を手伝わないのか
次もボチボチ書きます