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一二六の血脈――玉座は肉体に宿る  作者: キロヒカ.オツマ―


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最終章

三つの玉座 ― 血・象徴・国家


夜明け前。

空はまだ薄く、光と闇の境界にあった。


地下施設の奥――

古文書と医療器具、儀式具と国家機密通信設備が同居する異様な空間。

そこに、三つの秩序が同時に存在していた。


御影一二六――血の玉座


令和の象徴天皇――象徴の玉座


公安・内閣官房・警察庁合同対策班――国家の玉座


誰も武器を構えていない。

だが、この場は戦場だった。


国家の介入


「これ以上は国家の管轄だ」


公安統括官が静かに告げる。

感情はない。

あるのは、統計・前例・危機管理だけだ。


「あなたの一族の存在、

 戦前の内務省資料、

 江戸期の密書、

 すべて裏は取れている」


御影は微笑む。

それは勝者の表情ではない。

「想定内」だという顔だった。


「国家とは便利な言葉だ」

「血を否定するために作られた装置にすぎぬ」


象徴の沈黙


天皇は、赤子に視線を向ける。

声は出さない。

だが、その沈黙がこの場で最も重い。


御影は赤子を抱いたまま、一歩進む。


「あなたは選ばれなかった」

「私は選別された」

「違いはそれだけだ」


天皇は静かに首を振る。


「選ばれなかったのではない」

「選ばないという在り方を、国が選んだ」


その言葉に、公安の空気がわずかに動く。


三つ巴の真実


国家は言う。

「血統は法の下に無効だ」


御影は言う。

「法は血を裏切るたびに作り替えられてきた」


象徴は言わない。

ただ、赤子の存在そのものを見つめている。


その瞬間、御影は悟る。


――この場では、自分は殺されない

――だが、肯定もされない


国家にとって彼は

「排除すべき敵」ではなく

「公にしてはならない真実なのだ。


国家の最終判断


統括官が告げる。


「あなたは逮捕もしない」

「裁判にもかけない」

「だが、公式には存在しなかったことになる」


それは勝利でも敗北でもない。

封印だった。


御影は静かに笑う。


「血は、封印されても消えぬ」


赤子の鼓動が、確かに響く。


終幕 ― 三つの玉座の行方


御影は姿を消す。

赤子とともに、記録に残らない場所へ。


国家は秩序を守った。

象徴は沈黙を守った。


だが読者だけが知る。


血の玉座は、まだ続いている


象徴の玉座は、問いを背負った


国家の玉座は、真実を隠した


そして日本という国は、

**「選ばないことを選び続ける国家」**として

今日も平穏を装っている。

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