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一二六の血脈――玉座は肉体に宿る  作者: キロヒカ.オツマ―


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12/16

血の策略 ― 赤子の移動と心理的勝利

雨はまだ降り続ける。

街灯の光は水面に乱反射し、影を不規則に揺らす。

御影一二六は赤子を抱え、廃工場の屋上から暗渠へと移動する。

背中の湾曲も脚の長短も、今や生存のための武器だ。

歩幅やリズムの狂いは、公安の計算を破壊する。


「血の王座は、血の秩序を破る者を許さぬ……だが、赤子は守る」

低く、冷たい声。心の中の独白だ。


御影は路地を利用して公安の追跡を分断する。

隊列が乱れるたび、彼は赤子の鼓動を確認する。

微かな脈の変化で、危険の度合いを判断するのだ。


公安は赤外線や音響で追跡を試みる。

だが御影は街の地形、雨音、影の揺らぎ、心理的圧迫すべてを戦術に利用する。

奇形の身体は不安定ではなく、心理操作と身体戦術の結晶だ。


彼は赤子を安全な建物の地下室に移動させ、隠れ場所を整える。

その間、公安は建物周囲で混乱し、互いに無線で情報を錯綜させる。

御影の狙い通りだ。心理戦の完勝。


「赤子は守られた……だが、我が使命はこれからだ」

御影は赤子を抱きながら暗闇を見つめる。

その視線の先には、未来への計略が広がる。


そして彼は静かに微笑む。

「いずれ、現世の象徴と対峙せねばならぬ。

 血の王座と象徴の玉座、どちらが真か……」


御影は影に溶け込み、雨の夜に姿を消す。

公安チームは建物を包囲するも、空の鉄骨と濡れた路面しか残っていない。

彼らは知る――

「奴は赤子を守り、心理戦でも勝利した」ということを。


赤子の鼓動は、血の秩序の象徴として、未来への予感を刻む。

そして御影の心には、血統の究極の正統性を示す日が静かに訪れるのを待つ。

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