1/4
001 ある未来、瞬く星空の下でキミを拒絶する
「ごめん、君とはもう付き合えない」
瞬く星空の下で黒無蒼司は少女を拒絶した。
「えっ……嘘だよね……?」
蒼司に拒絶された少女は一縷の望みをかけて彼を見た。これが彼なりのジョークであることを願って。だが、彼がこんな残酷な嘘をつくような人ではないことは少女自身が知っている。
「これは嘘じゃない。俺が出した答えだ」
「いやだ……嘘……嫌だよ……っ」
少女は大粒の涙を流す。幼子のようにその場に泣き崩れる。
「もう俺は君たちを失うことに耐えられない」
蒼司は思い出す。彼女たちと過ごした宝物のような日々を。とても愛おしく輝かしい日々を。
そんな日々から目をそらすように、泣き崩れる少女に背を向ける。
「待って……待ってよ……蒼司!」
少女の制止を振り切って司は歩み出す。唇を噛み締め、雑念を消すように強く踏みしめて。
もし過去に戻れるなら、こんな悲しい結末をしなくて済むように世界を変えるだろう。
これは黒羽蒼司の初恋と失恋の物語だ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
ブックマークと高評価していただけると幸いです!