凛ちゃんは鳥天狗を倒した!別にレベルは上がらなかったw
彩聖と凜は傷付いた鳥天狗の下へと走っていく。
「いたぞ!フラフラだから一発どついたれっ!」
「そ、そんなの出来ない・・・。」
「ああもう!どつくのこうするんじゃっー!」
彩聖、フラフラと逃げるの後頭部に鳥天狗に鉄拳を喰らわせる。
鉄拳を喰らった鳥天狗は当たり前のように吹っ飛んで行く。
「分かったか!?殴るコツはアレコレ考えん事。アレコレ考えると躊躇いが生まれる。勢いで殴ったりゃええんじゃ!」
「あ、うん・・・」
彩聖とは幼い頃からの付き合いだが、彩聖と凜では精神的なものが生まれつき違う。そんな彩聖と同じことが凜には出来ない。
そもそも彩聖ってどちらかというと町の半グレ集団の輩みたいな粗暴な娘だから、真面目で清く正しい凛と違うのは当然か。
そういえば家を出ていった彩聖のお兄さんも粗暴な人だった。
「おい凜。御札を投げつけてトドメをさせェ!」
「う、うん分かった」
凜は御札を取り出して気合を入れて鳥天狗に投げつける。
鳥天狗の顔面に御札がくっつくとジワジワと御札が燃える。
それ即ち鳥天狗の顔面が焼かれるということ・・・。
「おおぉ・・・こんな野蛮な殺し方私には出来んな・・・。流石だな・・・凜。」
「や、いや別に顔面燃やすつもりじゃ・・・。たまたま顔面に御札が当たっただけだから。」
顔面が焼かれジワジワと生命が失われる鳥天狗・・・その断末魔は壮絶なものである。
「じゃ、彩聖帰ろっか・・・。この断末魔聞きたくないし・・・」
「駄目だ。私達陰陽師は妖怪がちゃんと死ぬところまで見届けねばならない。じゃないと後で報告が出来ないんだよ。」
妖怪を退治した後には必ずその地方の陰陽師支部(24時間営業)に電話をしなければならないのだが、その時に必ず絶命・・・しっかりと死んだことを確認したか聞かれる。
そしてちゃんと確認出来てなかったら給料は振り込まれないのだ。
「そ、そんなぁ・・・。妖怪が死ぬときの断末魔めっちゃ怖いんだけどぉ・・・」
「安心しろ。すぐに慣れる。慣れたらこんなもん子守唄に感じらぁ」
彩聖はそう言って優しく凜を抱いてやった。そして頭を撫でてやった。
「とりあえず凜、妖怪初討伐おめでとう。ウェーイ!」
彩聖はハイタッチを求める。しかし今はそんな気分じゃない。
「う、ウェ〜イ・・・」
でもハイタッチしてあげた。してあげないとまた怒って無理やりハイタッチさせようとするに違いないから・・・。