飛んでる鳥天狗は落としてからボコボコにすればええんやで?
「おい!さっさと術を掛けて御札を投げろ!」
「ええっと・・・えい!」
術を掛けて御札を投げると相手に当たった時に燃えたり凍ったり、電気でビリビリしたり内蔵が破裂したりする。
これは投げた人の適性で燃えたり内蔵爆発したりする。
炎の適性がある人は相手を燃やすし、氷なら相手を凍らせる、雷の適正持ちなら相手を痺れさせる。そして内臓器官を影響を与える適正の持ち主なら相手を内臓から弱らせたり心臓を破裂したりする。
ちなみに凜は炎の適性がある。
凜の投げた御札が頭に当たると鳥天狗は少し髪が焼け落ちた。
「お、良いぞ。アイツ頭ハゲたぜ。もう一発いったれ。」
しかし同じ手は2度は食わない。鳥天狗はすぐさま空を飛び御札が投げても届かない位置まで距離を取る。
「この距離じゃあ届かないね・・・」
「そうだな・・・遠投100メートル超えのプロ野球選手じゃねぇと届かんな。そんな時にこれがあるんだがな。」
そう、普段は絶対持ち歩かない武器・・・それは弓矢。
彩聖は高校では弓道部だ。だからこの程度の距離なんか余裕である。
「オラァ!これでくたばれやっー!」
大声で発射した剛弓は鳥天狗がいる方向とはまるで別の方向に飛んでいった。
「・・・」
「・・・」
彩聖と凜、二人の間に少しだけ沈黙が訪れた。
まさか彩聖が弓を外すなんて思わなかった凜。
まさか自分がド派手に弓を外すなんて夢にも思わなかった彩聖。
「まぁ、しゃーない切り替えて行くか。」
そう言って彩聖は手にする刀を鳥天狗に向かって投げた。その投げ方は槍投げのような素晴らしいフォームであった。
そして投げられた刀は凄いスピードとコントロールで、鳥天狗が反応する頃には鳥天狗の翼を貫いていた。
「おし、凜。アイツはもう飛べんからとどめを刺しに行くぞ。たぶん走る力も無ぇ。」
「う、うん・・・。」
凜は彩聖は刀以外はからっきしなんだなぁ・・・と思い鳥天狗の下へと走っていく。




