強者のオーラがプンプン臭うぜ!
「来たな・・・!陰陽師の小娘っ・・・!」
彩聖の眼前に立っている大王鬼は彩聖をひと目見て、鼻で笑った。
・・・というのも大王鬼からすれば彩聖は本当に非力の人間のメスという認識だからだ。
普通の人からすると彩聖はヤバいオーラのある小娘で自分から近寄ろうとする人は殆どいない。
しかし大王鬼には彩聖のオーラなど全く感じないのだ。
それだけ彩聖と大王鬼の力量に大きな差があるという事である。
同じ人間同士で調子に乗っていても鬼の大将からすると赤子同然なのである。故に全くオーラなど感じないという事である。
「鬼の大将・・・大王鬼。確かにオーラだけは一丁前にあるな。」
大王鬼のオーラは遠くからでもビンビン感じていたが近付くと物凄く空気が重苦しく感じる。
これだ・・・!これが本当の強者って奴だ・・・!
彩聖は少し嬉しくなる。自分より強い本物の強者と死合う事が出来ることに。
「私より強い者と巡り合わせてくれた事を天に感謝するぜっ・・・!」
今まで彩聖はあまり人に感謝する事とは無縁の人生だった。
だって大抵の事は自分ひとりの手で出来るから、誰かに協力や相談などしなくても己の手で達成できるから人に感謝する事がなかったからだ。
家でも親が料理しないときは自分で料理できるし、親に金がなけりゃ己の手で妖怪を仕留めて金を稼いでくる。
だから親にも感謝する事が滅多に無かった。
だが今宵初めて彩聖は感謝する。
強者戦えるぐらい強い子に生んでくれた母に!陰陽師としてそれなりに育ててくれた父に!そして強者と巡り合わせてくれた天に感謝したのであった!




