返り血は戦った証・・・誇ればえぇ!
彩聖の怒りの腹裂きで緑王鬼の身体からは大量の血が噴水のように吹き出て、緑王鬼を見事失血死させた。
残す敵は大王鬼だが、その大王鬼は緑王鬼なんかより果てしなく強い。
何故それが分かるか?それはその敵が発している圧で分かる。
しかも大王鬼の圧は強くて、対面していなくても遠く離れた場所からでも圧の強さが感じられる。
そもそも優奈も彩聖も緑王鬼如きの敵では圧も何も感じなかったのだ。それが大王鬼となると遠く離れた場所からでもビンビン感じる。
「残す敵は大王鬼のみだ。優奈、一緒に行って倒すか?」
これほどの圧の持ち主だ。彩聖一人でも勝てるかどうか・・・というところである。
彩聖としても優奈と一緒に戦ったほうが確実だと思っている。
しかし緑王鬼の身体から吹き出ている血の噴水を思いっきり浴びている優奈にはそんな気力がない。
「私は止めとく。血の噴水のせいで身体が血まみれで気持ち悪いのよ。しかも、この血めっちゃ臭いし。」
よく見ると優奈の巫女服にも派手に血がついている。
優奈も服がこんなに血で濡れるなんて事を体験したことないのだろう。それは彩聖も同じであった。
普段の弱い妖怪はこんなに派手に血を吹き出したりなど決して無いのだ。
だから彩聖も派手に顔面に血が掛かったりなど本来は無い。
だが、彩聖は優奈と違って大量に吹き出る血を見ようがバラバラ死体を見ようが、鬼の内蔵を見ようがまるでノーダメージであった。
「そうか。確かにこの血はくっせぇな!だが、その返り血は戦って勝った証なのだ。誇れば良い。」
そう言って彩聖は休む間もなく次の敵のところへ走っていく。




