鳥天狗の倒し方はなぁ!こう殺るんだっー!
二人はお喋りをしながら鳥天狗が出てきそうな場所まで行く。
「そろそろ鳥天狗が出てきても良いのだがな・・・。」
彩聖がそう言いながら暗闇の山道を歩いていると何かが肩にぶつかった。
「痛ぇな!オラァ!」
まるで町のチンピラのようにキレてぶつかってきた相手の胸ぐらを掴む。
「ちょ、それ・・・烏天狗じゃ・・・」
「あん?鳥天狗が私にぶつかるほど間抜けな訳ねぇだろ?・・・ん?」
暗闇の中だが月明かりを頼りにじっくりと相手の顔を見てみる。長い鼻、汚いジジイ顔、キツい体臭、しかも背中をよく見ると翼がある。
「鳥天狗じゃねぇっーか!」
そう言って彩聖は鳥天狗の顔面に渾身の一撃、必殺顔面パンチを喰らわす。
鳥天狗はその一撃を喰らいド派手に吹っ飛び木にぶつかる。
「おっしゃ!凜よく見とけ!こうやって打撃攻撃が効く奴が倒れた時にはなぁ!こうやって追い打ちをかけるんだ。」
そう言って彩聖は倒れた鳥天狗の頭を思いっきり踏んで叫び声が聞こえなくなるまで踏み潰す。
「ちょ、そんな戦い方野蛮過ぎてあたしには真似できないよ・・・」
しかし鳥天狗をボコボコにしている状態の彩聖には凜の声は全く耳に入ってこなかった。
「あん?叫ばなくなったな?」
声がしなくなった鳥天狗の様子を確かめるために顔を見ると・・・
「まだ息があるな。面倒だから心臓を一突きして殺しとこ。」
手にする刀で心臓を一突きすると鳥天狗は大きな叫び声を上げて息絶えた。
「・・・とまぁこんな感じで倒すんだ。」
我ながら完璧な討伐の仕方だったと思い満面のドヤ顔を決める彩聖・・・しかし凜はドン引きしていた。
「いやぁ・・・彩聖の戦い方怖い。町の半グレとかヤクザみたいな戦い方で怖いわ・・・」
しかし彩聖は真面目な顔をする。
「良いか凜。戦いに野蛮もクソもねぇ!そもそも妖怪退治って妖怪を殺しているのと同じだ。野蛮で当たり前なんだよ!これは世の戦争をしている奴らだって同じなんだよ。殺しは野蛮なものなんだ。そしてこれからオメェが殺る事も野蛮な事なんだ。」
彩聖がそういうと仲間の断末魔を聞いて飛んできたもう一匹の鳥天狗がやってきた。
「さぁ凜!コイツはオメェの手でブチ殺してみぃ!鳥天狗だから空を飛ぶからオメェの御札は有効的じゃけぇな!さぁ殺ったれ!」
「で、でもぉ・・・」
あわあわしている凜に彩聖は肩をポンと叩く。
「手助けはしたるけぇ安心せぇ」