宿命の戦い!青王鬼よ、その目に何を見る!?
その頃、凜は優奈の戦いを岩かげに隠れてコソコソと見ていた。
聖域の御札を持っていたら敵に姿が見つからないらしいが、それでも万が一ということもあるから隠れて戦いを見ている。
「はわわ・・・優奈ちゃん凄い。二刀流をあんなに使いこなしている。」
優奈は見事に二刀流を使いこなし、鬼の群れの中に自ら突っ込んでいって撫で斬りにしている。その戦いぶりは彩聖と同じ獰猛な獣のような戦い方であった。
「げヒヒ・・・おじょーさん!そんなところで何しているのかな?かな?」
声がした方を振り返ってみると・・・
「ぎょえひっー!お、鬼だっー!優奈ちゃーん!彩聖っー!助けてー!」
そこには青王鬼が汚い笑顔で立っていた。
ここ悲鳴・・・実に気持ちが良い。青王鬼は鬼の中でもヒョロガリな部類だから体格差で部下の鬼にも舐められやすい。
その為、自分を見て驚いてくれる凛の慌てぶりが実に気持ち良かった。
「な、なんで?聖域の御札があるのに姿が見えるの!?」
「ケケケッ・・・聖域の御札は低級妖怪にしか効かないの。でも私上級妖怪なの。さぁ死のうか?」
ちょっと話を盛った。青王鬼は中級妖怪。
でもそんなの関係ねぇ。青王鬼はこの場で凜の首を取るつもりだから。
「い、いや〜!!こないでっ〜!」
凜は怖さで思わず手にする薙刀で青王鬼の身体をズバッと斬りつけてしまった。
青王鬼の身体からは血が吹き出てくる。
「へ?へぇっ〜!?なにこれ?これ?なんで攻撃してくるの!?の!?」
絶対弱いだろっ!と思っていた女の子が躊躇わず薙刀で斬ってくるなんて誰が思うだろうか?
「痛い〜!!こ、この高貴なる青王鬼様によくも斬りつけてやがったなっ〜!!このこの!死んぢゃえ!」
手にする棍棒で青王鬼は反撃するも重い棍棒を振りかぶるだけでも精一杯。
「ひぃひぃ・・・これ重すぎ・・・。いくぞぉ〜攻撃避けるなよ小娘ぇ〜!!」
青王鬼のこのトロ臭い動きを見て凛も段々と分かってきた。
これめちゃくちゃ弱い鬼だと。
「も、もしかして青鬼さんってめちゃくちゃ弱い?」
これを聞いた青王鬼は憤慨。
「き、貴様ぁ!」
しかし必死に振りかぶった棍棒を重くて持ちきれずに手から落としてしまう。
「あ、ちょっ!タンマっ!棍棒拾うから!攻撃するなよ!頼むから攻撃やめてね?」
「ごめんね?青鬼さん。えいっ!」
本当は正々堂々と戦うべきなんだと思った凜だが、あまりのトロ臭さに「もう倒しちゃえっ!」となった。
「いやぁ〜ひきょー者っ〜!!」
凛の薙刀は青王鬼の頭を真っ二つに割った。
「グワぁぎゃファッー!!!」
島全体に響き渡る青王鬼の断末魔の叫び・・・。
この声、優奈も他の鬼も大王鬼にも聞こえていた。
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