我は正随彩聖・・・これから鬼の幹部と命の取り合いに征ってきやす!
「す、凄い・・・攻撃が速すぎる!そして凄く力強い・・・!」
凜は彩聖の戦いぶりを口をぽかーんと開けたマヌケ面で見ていた。
でもそれも仕方がないだろう。何故なら凛の知っている普段の彩聖は弱い妖怪を一方的に殺戮している姿だもの。
こんな本気で戦うところなんて初めて見たかも知れない。
「本当に凄い・・・。慣れない船の上でも陸の上と同じように動けている。何より勢いが凄まじい・・・!」
船の上は波で揺れるし陸の上と違ってバランスが取りにくいのだが彩聖はバランスを崩すこと無く普通に動けている。
そして鬼気迫る勢い・・・気迫で鬼をバッタバッタと斬り殺していく。
「彩聖ちゃんの剣術に関しては凄すぎて私はコメント出来ないわ・・・。もしかしたら剣術だけに関しては陰陽師でトップかも知れないわ。」
「ウソ?そこまでなの?」
「そもそも陰陽師では術で戦うのが主流なのよ。刀で戦うのは殆ど無いのよ。」
殆どの陰陽師は術を使って戦うから彩聖みたいに敵の船を奪うために船に飛び乗って乱戦するなんてことは本来しない。
しかし彩聖みたいな戦い方は敵を怯ませる事が出来るから相手の士気を落とすことが出来る。
そして・・・前へ前へと出るもんだから敵の幹部にも出合いやすい。出合いやすいということは早く勝負のケリがつくということである。
いま彩聖の目には少し豪華な船が見える。恐らくそれに乗ってるのが幹部の1人だろう。
なら取るべき行動は1つしか無い。
「我正随彩聖。鬼の幹部の命を奪うため突貫するっ・・・!」




