優奈ちゃんさぁ・・・君だけいろんな属性の術使えるとか反則じゃね?
それから30分・・・ようやく結界が完成した。
「はぁはぁ・・・やっと出来たわよ!」
優奈は結界を張るのにかなり体力を消耗した様子で、戦う前に既にヘロヘロの状態である。
「優奈・・・お前戦えるんか?ヘロヘロじゃねぇか」
「戦えるわよ。仕方ないのよ・・・結界ってしっかりと手抜きせずに作らないと1から作り直さなきゃならないし・・・」
これほど大規模な結界を手抜きせずにしっかりた作るのは雑な人では無理だろう・・・彩聖とか絶対無理ですわ。
「優奈ちゃん、それでこれからどうするの?」
「術で一発かますのよアホみたいにいる鬼の殆どを私の術1つで殺すのよ・・・」
「どうやって?あたしじゃ思い付かないんだけど・・・」
戦闘経験の浅い凛の頭では到底思いつかないであろう。
「まぁ見てなさい・・・!」
手にする御札を海に向かって投げる。それはもう野球の遠投の様に遠くに投げる。
「瀬戸内海の海よ荒れ狂いなさい!」
優奈がそう呟くと投げた御札から強烈な風が吹き出る。
「おぉ!優奈が投げた御札から風が吹き荒れとるぞ!」
その強烈な風が次第に結界内の瀬戸内海の海を荒れさせる。
それから五分ほど経つと徐々に海が荒れてくる。ということは彩聖たちが乗っている小型船も揺れてくるということである。
「おいおい、この風ヤバいだろ?船が転覆するぞ?そんなんしたら名原のおっさんに怒られるぞ?」
「安心して・・・それも術で何とかするわ。それっ!」
優奈は御札を自分たちが乗っている小型船に貼り付けた。
「御札貼るんだ?」
「そうよ。投げつける以外の使い方もあるのよ。」
すると小型船の揺れが止まった。いや・・・浮いていた。
「おいおい!船を宙に浮かす事も出来るんかよ!優奈おめぇだけいろんな属性の術使えるとか卑怯だろ!天才じゃねーか!」
「ふふん!そうよ、私は天才なの。もっと私を褒めなさい。」
昔から人より術の練習をしていたから普通の人以上の属性の術が使えるようになった・・・ただそんだけの事である。
「では・・・そろそろ起きるわよ。津波が・・・!」
その津波は彩聖達の眼の前で起きた。
強風?突風?暴風?この風をなんと言えば良いのか分からないが台風なんかよりも圧倒的に強い風が海を荒れさせて波を高くする。
そしてその波が次第に巨大な津波となって鬼のいる島に向かっていく。
「2人とも見なさい!これが妖怪にも防げれない津波よ!」
その光景は凄まじかった。大きな津波が次々と島を襲って飲み込んでいく・・・。
流石の彩聖も恐怖を感じたほどであった・・・。




