このしょぼくれたおっさんが鈴衛さんや
それから彩聖と凜は毎日二人で術の訓練を始めた。
訓練といっても妖怪退治に行く前に訓練をして、妖怪退治で術を実戦で使うという感じでやっている。
実戦で術を使ってみて分かったのが彩聖には術を実戦で使うのには向いていないという事、そして妖怪と接近戦で戦う凛には術を使うのが向いていたということであった。
その結果に彩聖は特に何も思っていなかった。
刀を持って熱く滾る戦いこそが我の生きがいであると思っていた。
そして決戦前の木曜日の晩に優奈は1人のおっさんを連れてきた。
「彩聖ちゃんと凛に紹介するわ。この人が陰陽師本部で事務とか雑用とか何でもこなしている重要人物の鈴衛さんよ。」
そのおっさんは短髪の白髪交じりで非常にガッチリとした体格であったが同時に顔から疲れが見えていた。
「私は正隨彩聖だ。宜しくな」
「あ、あたしは堂林凛と申します・・・宜しくお願いします。」
彩聖は特に緊張しなかったが凜は本部のお偉いさんだから緊張していた。
「ああ、私は鈴衛と申します。本日は明日の鬼退治の為の打ち合わせに私も参加させてもらいます。」
この鬼退治は陰陽師本部も「なんとかせなアカン」と思っているらしく、鬼退治に行く人のサポートを鈴衛がするということである。
しかし・・・それにしても鈴衛という男は本部の人間なのに腰の低そうな人間である。
「明日の鬼退治にも同行しますので宜しくお願いします。私は戦うことは出来ませんが最大限サポート致します」




