あの男に連絡だ!
「とにかく!鬼退治、凛ちゃんも行くこと!」
「えぇ・・・あたし弱いし二人の足引っ張るのが目に見えているよぉ・・・。優奈ちゃんと彩聖なら鬼退治なんて余裕でしょ?あたしなんかいらないじゃん・・・」
凜はとにかく鬼なんてめちゃくちゃ強そうな妖怪と戦うなんて怖くて出来ない。
「鬼退治はね、3人で行かなきゃならないゲームのクエストの様なものなの。だからお願い!」
これは嘘である。別にやりたければ1人でやっても良いのだ。
凜を鬼退治に連れて行きたい理由・・・それは凜の覚醒である。
凜は気弱で自信が無いみたいであるが、その代わりにややネガティブではあるが物事を冷静に見る事が出来る。
彩聖も優奈も好戦的で勢いに任せて戦うことが多いが、そんな二人を冷静に指摘できる人が1人は欲しいと優奈は考えていたのである。
それにサポート的な事も得意な気がするし、この戦いで陰陽師として凛に一皮剥けてもらいたいと考えているのだ。
「ん〜・・・分かったよ。参加してみるよ。」
凜は優奈から必死のお願いを聞いてどうしようかと考えるが、断るのが苦手な性格の凜は仕方ないと思い参加することに決めた。
「よし!そうと決まればあの男に連絡だ!」
「おい優奈、あの男って誰だ?」
「陰陽師本部の事務兼雑用係の鈴衛さんよ。本部1の働き者で陰陽師という組織で一番重要な人物よ。この人がいないと今の陰陽師は成り立たないとも言われている人よ。」




