女子高校生を食事に連れて行く場所が居酒屋か・・・でかした!
優奈は彩聖と凜を連れて電車で街まで行き、優奈の行きつけのお店に連れてきた。
「ここが居酒屋か!酒飲んでもええんか?」
「駄目よ!お酒は二十歳になってから。彩聖ちゃんはお子様らしくジュースでも飲みなさい。」
お酒を見るとどうしても彩聖飲みたくてたまらないのだ。
家ではたまに兄貴が飲むだけで殆どお酒自体を見ることがない。それ故に飲む機会が無い。
親父が酒飲む人だったらコッソリと飲めるのだが・・・。
「そんな事より女子高校生を連れて食べに行く場所が居酒屋ってどうなのかな・・・」
居酒屋の雰囲気に戸惑う凜。周りをよく見てみれば大声で話す輩、イッキ飲みをしている馬鹿なオッサンばかりだ。
「良いのよ。ここは美味しいから!お酒さえ飲まなければセーフなの!それに私は今猛烈に飲みたい気分だし。」
優奈もいつもと・・・なんか雰囲気が違って見えて怖い。やっぱアルコールってなんか怖い・・・そう感じた凜であった。
そして注文した料理と飲み物が一通り来ると優奈はビールを持つ。
「そんじゃあ乾杯するわよ!」
「おう!するぞ!」
「えっ!?え?」
乾杯なんて言われてもどうすれば良いのか分からない凜。
『カンパーイ!!』
優奈と彩聖のやり取りを見て凜はとりあえずジュースの入ったグラスで乾杯をした。
そして皆さん一口ゴックンと飲み物を飲み干す。
「くぅ〜ビールが身体に染みるわぁ〜!おいちぃ〜!」
「良いな。私はジュースだからただ甘ったるくて美味しくないわ。私もはよ二十歳になりてぇよ。」
「ビール良いよ。日本酒もウォッカもワイン、焼酎もチューハイもなんでも美味しいわよ。」
「よし、今度優奈の家で飲むか!宅飲みなら他の人に酒飲んでるのバレまぁ!」
「駄目よ。名門大学の推薦を貰おうとしている娘がそんな事してたら駄目。高校3年間は真面目にしなさい。」
「ぐぅ・・・正論。おめぇの言うとおりだ。」
って感じで彩聖と優奈は楽しそうに話しているが凜は居酒屋の雰囲気が苦手なのか居づらそうにしている。
「ねぇ優奈ちゃん、なんか大事な話があるって聞いたんだけど何の話?酔っちゃう前に大事なことがあるなら話そうよ!」
凛もこの後優奈が酒によって話しどころではなくなると感じて『大事な話』を先に聞き出そうとしている。
「分かったわ。じゃあ・・・みんな瀬戸内海にはたくさん無人島があるの知っている?」
「知らん」
「あたしも知らない」
「そっか。実はね、瀬戸内海にある無人島に強大な鬼が現れたらしいの。」
強大な鬼・・・それは昔話とかで聞くあの鬼のことであった。




