彩聖の1日はまだ終わらなーい
今は午後6時。優奈が彩聖に勉強を教えてからだいぶ経った。
「ふぅ・・・今日のところはここまでね。お腹空いたしどこか食べに行きましょう。」
流石に長時間も勉強を教えていたら疲れる。しかし彩聖は物覚えが良くて教えること自体にはそれほど疲れることはなかった。
疲れる原因はこの空気である。彩聖が集中モードに入っているから会話もなく空気も重い・・・それがとにかく疲れる。
「んな事より私の勉強の進み具合中々じゃないか?自分で言うのもアレだが相当出来ていると思う。」
「ええ、私が教えることなんて殆どないぐらいね。」
彩聖が出来すぎるから勉強も教え甲斐があまりない。
出来なさ過ぎる人に教えるのは疲れるが出来すぎる人に教えるのもそれはそれでつまらないものである。
「じゃあ優奈の言う通り飯でも食いに行くか。ババアには今日は飯いらんと言っとく。」
「うん。あと凛ちゃんも呼んでいいかしら?ちょっとみんなで話したいことがあるんだ。」
「ほう・・・?」
真剣な表情をする優奈を見て彩聖は結構大事な話なんだと察した。
「それは妖怪に関することだよな?」
「うん。しかも結構深刻な事。」
恐らく前から感じていた何とも言えない違和感の事だろう。
彩聖も優奈もずっとこの重い空気、違和感を感じていたが遂にこの事に関して何かが分かったのだ。




