この変態妖怪血祭りにしてやらぁ!
「おらぁっ!」
彩聖はから傘お化けをどつく蹴る斬るなどしてから傘お化け達を退治していく。彩聖の表情はいつになく本気だ。
「あ、彩聖凄い!いつもより荒々しくて気迫が凄い!」
最初はお金が絡んでいるからなのだろうと思っていたがよく見ると違う。彩聖が本気なのはもう一つ理由があった。
「キャー!」
凜が大声で叫ぶ。から傘お化けが手で凛の胸を鷲掴みしたのだ。
しかも大きな舌で顔を舐めようとする。
「助けてータスケテー!気持ち悪いぃ!」
凛の叫び声と共に優奈がやってきてから傘お化けを蹴り飛ばす。
「全くこの妖怪は・・・。彩聖ちゃんがから傘お化けに本気で戦うのは過去に胸を揉まれたからよ。私も経験あるわ。」
このから傘お化けという妖怪・・・いわゆる変態妖怪で有名で夜中に外を歩く女性を狙い胸を揉んだり顔を舐めたりするのだ。
江戸時代の頃は討伐しても大してお金が稼げないから陰陽師も放っておいたが明治になってから当時の陰陽師団体のトップが不快だから報酬金を増やして以降、陰陽師たちも積極的に討伐するようになり現在では一般人に危害を加える前に退治されるようになった。
「コイツらはね。女好きなのよ。変態おっさんと全然変わらない女の敵よ。」
すると優奈もから傘お化けに胸を掴まれる。
「こうやって人の胸を揉んだ後に顔を舐めてくるのよ。でも退治は簡単。力は弱いし女相手には自分から寄ってくるから武器を振り回すだけで倒せるわ。」
胸を鷲掴みする妖怪の手を振り払い小太刀で斬殺する優奈。
「さぁ凜ちゃんもやってみて。簡単だから。」
胸を揉まれたというのに優奈は平気な顔をしている・・・いやよく見たらドス黒いオーラを感じる。
優奈もめっちゃキレている。
「よし、あたしも・・・。えい!」
凜は手にする薙刀を力の限り振り回す。
「げぶぅ」
「ぷげらぁ!」
「はがぁ!」
薙刀の使い方は全然良くないが弱い妖怪、しかも相手から近寄ってくるんだから凛でも簡単に殺せた。
「ひぃ〜重いぃ!!でもなんとか倒せてる!」
攻撃が当たる快感としっかり倒せているという実感が凛の自信に繋がっていく。




