これも重てぇじゃねぇか!
次の日の夜9時、彩聖の家の神社で彩聖と凜は優奈を待つ。
しかしいくら待ってもなかなか来ない。
「優奈ちゃん遅いね。実習で遅れているのかな?」
「一応LINEで連絡したら既読付いているのだがな。返事がない。既読スルーされたみたいで腹立つからどついたる!」
彩聖の心の中では自分を待たす愚か者なんて許せないという事でいっぱいであるが、同時に心配もある。
「優奈の事だ。実習でヘマでもして居残りとかもあり得るだろ。そうなると単位に響くから心配だ。」
「彩聖が優奈ちゃんの心配するのって珍しいね・・・いつもライバル視しているから意外って言うか・・・なんか不思議な感じ。」
凛にそう言われるのは驚きだ。彩聖には彩聖の考えがあるのだ。
「確かに優奈の事はライバル視している。しかし嫌いじゃないし倒す時は己の手で倒す。それが相手に勝つという事よ!しょーもない嫌がらせとか相手の不幸を願う等は『漢』のするべきことでは無い!」
「お、おぉ〜・・・」
彩聖の熱さのある発言、それには勢いがあった。勢いがある発言に凜は気圧された。同時に「彩聖の言うことも分かるかも」という心理に陥ってしまう。
さて、そんな下らないやり取りしていると黒髪ツインテールの巫女さんがカッコいいバイクでやってきた。
その巫女さんは背中に薙刀を担いでいる。
「彩聖ちゃんと凛ちゃん、持たせたわね。これが薙刀よ!」
優奈は凛に背中に担いでいる薙刀を渡すと・・・。
「重っ!槍と同じくらい重いよぉっ!」
「槍と同じ長さだし当たり前じゃない。」
「そらそうよ!」
凜は優奈と彩聖に「何言ってんだコイツ?」みたいな顔をされる。
「凜ちゃんはこれを扱えるように普段から練習しなさい。彩聖ちゃん、アンタがちゃんと練習に付き合うのよ。」
「勿論。共に戦える仲間が増えるのは嬉しいからな。そういう訳で今日の討伐の相手はから傘お化けだ。みんなでシバキに行こうか。」
彩聖はご機嫌な様子である。そういえばから傘お化けって一体討伐で2万円の報酬があるはずである。
もしかして金が儲かるから喜んでいるのでは・・・




