槍より薙刀の方が良くね?
それから1ヶ月間は特に問題などは無く平穏な日々が続いた。
妖怪もいつもと同じ鳥天狗の土蜘蛛、たまに塗壁、から傘お化け。
ちなみに塗壁は一般人に対する被害がそこまで無く、報酬は3000円。から傘お化けは人の言葉喋るしなんかキモいから2万と意外と高い。
そして今日、凜が槍の練習を初めて1ヶ月経つ事もあり彩聖と優奈で凛の練習の成果を見に来た。
「ふんすっ!ふんすっ!」
必死な顔で槍を持って動かす。初めて持った時と比べてかなり動かせる様になったみたいだ。
「凛ちゃんやるじゃない。長槍なんて私は持てないな〜。長槍を持って動かせるんなら陰陽師としては上出来よ!」
優奈は凛の訓練の成果を褒めているがお隣にいた彩聖はかなり厳しい顔をする。
「駄目だ。顔に余裕が無い。槍を動かすだけで必死・・・それじゃあ戦場では役に立たんだろ。」
厳しい・・・!彩聖は非常に厳しい目で評価をする。
確かに彩聖の言う通り槍を持って動かすだけで精一杯ってことは戦場では足を引っ張ることになる。
考えて動くということに頭が回らないからである。
「えっ・・・そんな!あたし必死に頑張ったのに!」
彩聖にハッキリ言われて凛もショックを受ける。
「何も長槍じゃなくても良いんじゃない?長槍をそこまで持って動かせるんなら薙刀とかどうかしら?わざわざ付いたりしなくても良いし。振り回すだけで充分だから扱いやすいわ。」
「薙刀か・・・。薙刀って戦国時代では使われなかったらしいから私も思い付かなかったな。」
彩聖は思いつかなかったみたいだがもともと「薙刀」は、刀剣や槍などと同じく武将や武士が用いる武具、とりわけ馬上での戦いが主流であった時代には、離れた位置から相手を攻撃できる有用性から重用されていた。
しかし、戦国時代に入り、集団での徒歩戦が主流になると、振り回すことで威力を発揮する薙刀は誤って味方を傷付けてしまう恐れがあることから、主力武器としての地位を同じ長柄武器の槍に明け渡す事になった。
槍は武術の心得がない足軽などの下級武士でも容易に扱うことができたのに対して、薙刀は修練を積まなければ使いこなせないことも、大規模な戦闘で用いられなくなった理由のひとつである。
「まぁ、今は戦国時代じゃないし集団で戦うわけでも無いから凛ちゃんには丁度いいんじゃない?もちろん練習は必要だけどね。」
彩聖と凜は優奈の言うことに一理あると感じた。
「しかし私の家に薙刀は無いしな・・・。」
薙刀という発想すら思い付かなかった彩聖の家には当然無いだろう。
「あたしの家は武器すらないや・・・えへへっ」
凛の家は家族みんな妖怪討伐する度胸がないから武器すら無い。
「はぁ〜しょうがないわね・・・。私の家に薙刀があるから明日持って来てあげるわ。実習があるから夜9時以降になると思うけどね。」
薙刀は迎家が戦国期より武器として使っていた為、迎家では薙刀が沢山ある。
だが優奈は薙刀ではなく小太刀で戦うみたいだが。
「うん、優奈ちゃんお願いします。」
「あーはいはい。分かった分かった。」




