強い妖怪とか見たこと無いから知らんす
二人は優奈と別れて家の近くまで帰ってきた。夕方だからか周りが薄暗くて少し不気味。
彩聖の家の周りはいつもこんな感じで彩聖達は何も思わないが近所の人は夕方になると不気味に感じて誰も近寄らない。
「こんな感じのいかにもな雰囲気の場所に妖怪は出現しやすいのだがな。我が家の周辺では妖怪が現れた事がない。」
「そういえばそうだね。だいたい少し歩いた辺りに出たり街の路地裏とかだよね。何かあるのかな?」
「知らん。でも妖怪も退治されたくないだろうし陰陽師が住んでる場所から離れた場所に出現するんじゃないのか?」
彩聖は優奈と話した時から物凄い妖怪の気配を感じている。凜は気付いていないがそこら辺から大量発生してきそうな、そんな気配がある。
でも妖怪は現れないし陰陽師支部から連絡もない。この感じは今までにない感じだ。
これは本当に強い妖怪が現れる前兆なのかも知れない。
「凜、おめぇ早く槍を自在に使えるように練習しとけな。この感じ・・・マジで強い妖怪が現れる可能性があるぞ。」
「そんなこと言うけどさ〜強い妖怪ってどんなの?土蜘蛛とか鳥天狗?」
興味本位で凜は聞いてみた。今まで親から強い妖怪の話なんて聞いたことないのだ。
そしてそれは彩聖も同じだった。
「私も知らん。強い妖怪なんて戦ったこともないし聞いたこともない。ちょっと大きな土蜘蛛や牛鬼は多少は強いが心配するほどでもないしな。」
普段倒している土蜘蛛や鳥天狗、牛鬼は個体差があって稀に強いのもいるがヤバいというほどではない。
「ふーん?」
「たぶん私達の知らないような、親世代も見たこと無い妖怪が本当に強い妖怪なんだと思う。ちょっと帰ったら支部の奴に聞いてみるわ。ほな!」
そう言って彩聖は走って帰っていった。




