ナンパされるのは嬉しいけど・・・とりあえず殴っとく
喫茶店での食事の後二人は電車で帰るために駅まで歩いて行くのだが、その途中で随分と雰囲気の悪い場所を見つけた。
「この道今までこんな雰囲気じゃなかったのにな・・・。」
この場所、本来なら商店街がすぐそばにあるから人の通りが多いのに今日はとにかく人がいない。
しかも空気が重い・・・この場所だけがとにかく重苦しく感じる。
「彩聖、これってもしかして・・・!」
「あぁ、妖怪が出現する前兆だろうな。普段から雰囲気が悪いならともかく、今まで活気があった場所がこうなるというのは妖怪が現れる前触れだ。」
とはいえ今は何も出来ない。妖怪が出たら討伐する以外出来ない。
妖怪が出たら退治したらすぐにこの場も活気が良くなる。
「とりあえず今は何も出来ない。ただ1週間以内に確実に妖怪が出て来るから気を付けろ。」
「う、うん!」
二人は足早と空気の重いこの場を立ち去ろうとする・・・と後ろ彩聖が後ろから誰かに肩を掴まれる。
「ちょっと可愛い巫女さん〜僕たちと遊んでいかな〜い?気持ちよくさせてあげるからさぁ〜」
ただでさえ肩を掴まれてムカついているのに頭の悪そうな輩にナンパされて怒りが頂点に達した彩聖はその手を掴む。
そしてそのまま背負投げをするのであった。
「誰に気安く話しかけとんならごりゃぁっー!」
地面に激しく叩きつけられる輩。するとすぐに仲間が集まる。
「おいおい、姉ちゃんよぉ?ワレぇ俺のツレに手ぇだしてただで帰れると思うなよ?」
「テメェ俺達にヤラれる覚悟あるんだろうなぁ?」
輩がゾロゾロと10人は集まって来た。それに対して凜はガクガクブルブルと震えて彩聖の後ろに隠れる。
「ちょっ!彩聖やり過ぎだよ。あたしまでヤラれちゃうじゃん」
「ナンパされたのが腹に立ってな・・・。私が可愛いからナンパしたのは分かるし、自分の可愛さを再認識出来て嬉しいけど相手を調子に乗られるのが腹立つからとりあえず・・・って感じだ」
すると彩聖は投げ倒した輩の頭を掴んで相手に向かって投げ飛ばす。
「うわっ・・・!テメェいい加減しろよ!」と当然相手はキレる。
そして次に彩聖は近くにあった消火器を手に取り振り回す。
「誰に口利きょんならゴリャっー!どつき殺すぞワリャー!私に喧嘩売ったこと後悔させたらぁっー!」
消火器で輩を殴り、ボッコボコにする。そして他の輩が怖くて距離を取ると彩聖は相手に向かって消火器を放り投げる。
「何逃げとんならぁっー!男ならかかってこんかい!根性なしがっ!その性根叩き直したる!」
相手は鬼神と化した彩聖に何も出来ずに一方的にどつき回されるのであった。