そんなんじゃ大学行く資金貯まんねぇスよ!
その日、彩聖は凜を連れて広島の街を堪能した。
可愛いアクセサリーの店を見に行ったり可愛い洋服を見たりした。
まぁ、そういうのは凜が嬉しそうに見ているだけで彩聖は別になんとも思っていないが。
しかし、たまには女子高生らしく街でキャッキャッするのも悪くない。彩聖と凜は家が貧乏だから遊ぶお金がないからたまには良いだろう。
「わぁっーコレ可愛い!ねぇ彩聖?この服可愛くない?」
「おー、可愛いな。」
凜は楽しそうに色んな服を見ているが彩聖にはよく分からなかった。彩聖は普段着る服は巫女さんの服だけで良いし、なんなら他の服着るのに抵抗ある。
正直言えば学校の制服着るのだってなんか恥ずかしいのだ。
しかしそんな彩聖にも欲しい物があるのだ。
「うおっ!ブルガリアの財布・・・!」
彩聖が財布売り場を見て目に入ったのはブランド物の財布だ。値段は20万円・・・いつもなら絶対に手することは出来ない財布だ。
そこらで売っている安い財布より良い材料で作られているし、長持ちしそうだ。
「おい、お姉さんコレ買うから会計頼む。」
突然中学生見たいな風貌の巫女さんが高級財布を買うなんて言うから店員のお姉さんも驚きが隠せない様だ。
「20万円になります。」
高校生か中学生くらいの女の子が買う金があるのか・・・と思いながら店員のお姉さんは彩聖をジっと見つめる。
「ホラよ。」
封筒からドーンと20枚の諭吉を出す彩聖にお姉さんは再び驚く。
「マジで持っているのかよ!」と言いたそうな顔をしていた。
「あっー!彩聖!そんなの買ったらお金貯まらないよ!」
圧倒的散財をするところを見た凜が走ってやってきた。
「良いんだよ。ボーナス貰った時くれぇパッ―と使わなきゃな。それに良い財布を持つと凄いんだ。」
「何がどう凄いの?」
「何となく優越感を感じる。私はみんなと違って高級なブランド品を持ち歩くセレブな巫女さんなんだと思うと気分が良いんだよ。」
「へー?でもほどほどにしなよ。」
凜が何かを言いたそうな顔をしているが彩聖は面倒だから聞かなかった。
自分の親みたいに説教とかされたら敵わないのだ。