進路と友人
『まずは西に行きましょう。』
突拍子もなくイオがつぶやいた。
「それはなんで?」
『西には海があるといいます。海には魚がいます!!つまりそういうことです。』
どういうことだよ。俺がぽかんとしていると、
『まったくわかりませんかね?魚の血が飲みたいのです。』
わかんねえよ。
『僕は生まれも育ちも山だったので、魚を食べる機会が少なかったのです。』
赤い目を輝かせ、俺に熱弁してくる。怖えよ。というか僕?まさかそんなわけないよな
『海にはたくさんの魚がいるらしいので一刻も早くいきましょう!』
僕っ子なだけだよな。
『西はこっちですね。』
一応確認だけ。うん。
「ねえ、イオって女の子だよね?」
恐る恐る訪ねてみる。
『そんなわけないじゃないですか。男ですよ。』
嘘だろ、おい。
『あなただって女の子なのに一人称俺じゃあないですか。まったく。』
まあ確かにそうだけどさぁ
「男かぁ。。。」
思わず口に出てしまった一言にイオは何とも言い難い表情をしていた。
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気まずい。。。
無神経だった。そうだよな男と女が二人で冒険だもんな。仕方ないよ。意識させないほうがよかったかもしれない。
無言の中二人の足跡が森中に響く。
「あ、あのさ、イオはなんで森の中で一人だったの?」
俺はとりあえず話題を振ってみることに、
『僕、少し前まで犬獣人の館につかまっていたんですよ。大体17年前ぐらいからでしょうか。』
おい地雷踏んだかもしれん。
『僕がいた村に突如犬獣人の群れが攻めてきて、僕の村のほとんどの人は殺されてしまいました。吸血鬼は戦闘力がものすごく高いのですが、村に炊かれた聖なる結界によって村人は弱体化され、銀の弾丸によって殺されました。数十人の子供が捕虜としてとらえられたのですが、その中の半分は拷問され、殺されてしまいました。僕は統領と思われる犬獣人に気に入れられていたので殺されずに済んだのですが、ほかの子たちはまだ屋敷で拷問されています。まあほとんどの犬獣人は私がぶん殴って殺してるので、大丈夫だと思いますけどね。』
悲しそうに笑うイオに俺は返す言葉が見つからなかった。
『もう何静かになってるんですか、まったく、僕たちは同性の友達、それでいいんですよ。これからは楽しくいきましょう!!』
イオが半歩俺に詰めてきた。いいにおいがする。
「そうだな。」
俺がイオに笑いかけ、イオも笑顔で返してくれた。かわいい。でも
「男かぁ。。。」
あ。。。。。
『なんでまたそうやっていうんですか、仲良くなりたくないんですか!?もう、』
イオを怒らせてしまった。
その後、俺は何とかイオと同性の友達として冒険をすることになった。