恋愛がしたいだけなんだ
僕は意を決して言った
「真奈美さん 差し出がましいかもしれんが
君を助けたいんだ父親になったような気持ちなんだ
ここに100万入っている
これで今の暮らしに役立ててほしい できれば専門学校とか言ってたし
それを考えたらどうかと思って持ってきたんだ・・」
その封筒をテーブルに置いた
彼女は瞬きもせず しばらくは 僕の表情をみつめたあと口を開いた
「おじさん あの・・100万ではとても足らないんですよ
学校に行くにはあと100万は必要なんです・・
お気持ちは嬉しいけど コレは受け取れないです」
「そか・・あと100万か・・」
僕がどうしたものかと思案げにしていると
「おじさん、今までもらったお金だってもう100万近いです 正直相当助かっています
それで・・あの・・良かったら 私をホテルに連れて行ってくれます?」
僕は 目を見開いた ビックリしたのは勿論だけど
それよりもお金で買おうという 僕を誤解したのではないかと言う淋しさからでした・・
「ま、真奈美さん 僕はそんなんじゃないんだ・・
君が好きなんだ・・そっとして 君を眺めているだけでいいと言うか・・君を恋しく見守っていたいというか
可愛い小鳥を見てるだけでも幸せなんだよ・・」
「頼むからお金のために寝てもいいなんて言わないでくれ・・」
「おじさん、誤解なんてちっとも して無いです
そんなことならとっくに おじさんだって私をホテルに誘っているしナニも云わないはずないです」
「・・・・」
「おじさん あの・・」
しばらくの沈黙のあと彼女が切りだした
「この100万をいただいていいですか?入学金として使わせてほしいです そしてあとの100万をもし用意して戴けるならそのお礼として・・愛人になります 」
「な、なんだって! 愛人になるって・・?
き、きみ それは 本気で言ってるのかい?!」
「ええ 嘘でも何でもないです おじさんには下心があってもなくてもいいんです 私は見返りを求めなかった おじさんの善意に報いたいのです・・」
「でも それだけでは綺麗ごとに聴こえるから学校に行かせてほしいです ですからあと100万を出していただけますか」
「だめなら この100万なんて大金は戴けません 戴く理由はないですから・・」
「・・・・」
僕は何を言ってよいのやら 言葉がみつからない
「でも100万は戴かなくてもホテルは行きたいです
ソレが せめてもの私の気持ちなのです」
「き、きみ・・それは・・」
僕は言い知れぬ モノがこみ上げて来て 言葉が出ない・・
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「お客さん 閉店なんですよ」
お店の人に言われるまで気がつかないほど 2人は話し込んだ・・
結局は そのあと 真奈美と僕はラブホに入ったのです
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【違うんだ!真奈美さん 僕はそんなつもりで・・】
と、僕は弁明しつつ 実際にはラブホテルに入っている僕がいる
(そんなつもりだろが!) と、 心のもうひとりが責め立てる