①《紅と蒼の輪廻日記》
実はフリーの小説家。
ツイッターやってます。
「@Ichigo_Milk___」
キャラクター紹介
日向ヒョウ
革ジャンを羽織ったライダー刑事を名乗る青年でいつも何かと犯人を探している。同期のパートナーを連れ回している。
蒼木アオ
水色のパーカーに水色髪のショートヘアーの男の子、日向ヒョウより身長が小さく小学生に見られてしまいがちだが通常の人間より力を秘めている日向ヒョウのパートナー。
ニコラ・レイライト
日向ヒョウのすぐ下の事務所にいる紫髪で紫色のチャイナドレスを着ている冷やかし担当の女性でコスプレ衣装をたまに日向ヒョウが着る羽目になっている。眼鏡の底には秘密が……。
用語紹介
《偽眼・魔眼》
ニコラ・レイライトの右前髪に隠された瞳の奥は基本的には綺麗な茶色だが危険を察知すると眼光は赤く染まり相手への嗅覚と視覚が大幅に拡大するが数分しか保たないため、長くは続かない。
序章
雨の降る季節、東京の広い公園の近くに突然全裸姿ではあるが……青い髪色をした小さい男の子が落ちて来た。何故だかわからないがとりあえず俺は羽織っていたライダージャケットを着せてやり事務所へと運び、パジャマ姿に着替えさせてソファーに寝かせた。
「空から女の子ならまだわかるんだけどなぁ……にしても普通に見てても女の子とあまり変わらないんだが、これは犯罪だな……。犯罪者を捕まえる側だぞ俺は!」
頭を抱えていると背後からごそっと聞こえたので振り返って見るとその青髪の男の子は目を擦りながらこう言った。
「ここは……どこ……?」
俺は今の台詞を雨に流せたらと思ったが……これは記憶喪失だ。
第一章
「そうだなぁ……ここは小さな事務所で、惑星地球って言うところだ。緑が沢山ある所な。んで俺はここのライダー刑事、日向ヒョウって言う者だ。ライダー刑事と書いてライダー刑事だからな、ここ重要」
なるほど……と頷いてくれた、どうやら上手くいっているようだ。
「それとお前、名前は……蒼木アオ。蒼木アオだ、気に入ったか?良し良し、少しは笑えるようになって来たじゃないか」
しかし一つ、こいつは心配していることがある。
それは居場所、つまりこいつは帰る場所が無いんだ。
「お前、ここの事務所使って良いんだぜ。しかし条件がある!お前は今から俺のパートナーになるんだ!悪いやつを捕まえるパートナーとしてな」
俺がそう言うと蒼木アオは微笑んだ、安心したのだろう。ならば良かった。しかしこいつの本性なと言うのをまだ見ていない、だから俺は顔を強張らせて一気に蒼木アオの元へと近付き息がかかるくらい近くまで近寄り壁へと追い詰め寄らせた、まだ怯えているな。
「俺がお前の左手を抑えていなかったらこのどこから出現したかわからない毒の剣が俺をぶっ刺していた所だったぜ……怖かったか?すまん、かなり良く微笑むモンだから脅かしたくなった……じゃなくて俺のパートナーに相応しいか見極めてたんだよ」
蒼木アオは頬を膨らませてプイッと首を明後日の方向に向いてしまった。
「なんだよいけずだなー!それにしてもこの三本の毒の剣……何なんだろう、どこかで……」
その時頭の中でいくつかの記憶がフラッシュバックする。
自分が空中にいる時、何者かの白髪の騎士に斬られたり、何者かに燃やされたりしている自分や……。
「思い出そうとすると頭痛が……何だろう、これ」
少しフラついた蒼木アオは再びソファーに座り込んだ。
「って言うかお前、そんなパジャマ姿で外に出歩くなよ?俺からしたら十二歳くらいにしか見えないし何かあれば俺が困る、困らせている奴らを捕まえるのが役目なのに……考えただけで恐ろし……」
まで言うといきなり扉がバンッ!と開いた。
「やぁやぁ!ヒョウ!見てくれまた新しいコスチュームを君に着て……ン?なんだこの子は、まさか……?」
日向ヒョウは必死に違う違う!と両手をバタバタさせている。しかしそんなことは無いとわかっているので思わず笑う紫髪の女性。
「はっはっは!まぁ君が私の斜め上を行くような事はしないとわかっているさ。何か事情があるんだろう?それはさて置きじゃあこの新しいコスチュームは……ふむ、そうだな。君に着せてあげよう!これはお姉さんからのプレゼントだぞ。ありがたく着てくれ……どれどれ」
いきなり蒼木アオは全裸にされて何故だか知らないが日向ヒョウはイケナイ気分になり顔を隠してしまった。
「わっ!ヒョウ!僕を売ったな!」
もちろん赤面になり今にも泣きそうな目で訴えて来る蒼木アオ。そんなことは気にせずコスチュームを着せて楽しむ紫髪の女性。
「すまん!これも俺達が飯を食うための仕事なんだ!多分!」
良し!完成!。とバッと日向ヒョウに向かせて見てもらう。その姿は綺麗な青と白のパーカーとブカブカのフード。足は青いブーツが良く似合っている。
「なんだ、結構良いじゃねぇか……。似合ってるぜ。これなら全然外に出歩いても良いぜ」
とてももはや女の子にしか見えなくなった。
とは言えニコラは最初から俺に着せる気だったのかそれを……最初に俺がこいつ、アオに救われるなんてな。
「生地も悪くないしキツくもない!ありがとうニコラさん!」
いえいえー、ヒョウにはお世話になってるし。またお金よろしくねー?まぁ今回はこんな可愛い子に満足したからチャラだけど。と言って帰って行った。
「さてと……とりあえずよろしく頼むぜ!アオ!」
日向ヒョウは拳を出し、それに応えるように蒼木アオも拳を突き出した。
「こちらこそよろしくね!ヒョウ!」
ここから始まるんだ、俺達の刑事日常が。
第二章
とは言え、この一週間は東京も中々平和で事件などは起こる事無く時間が進んだ。
別に事件が起こる必要は無いのだが……。
「蝉が鳴いてるなー……良し、今日も平和っと……って、いきなり何だよ!ニコラ!」
目が冴えない日向ヒョウの目の前に現れたのは血相変えて走って扉を開けて来たのはニコラだ。しかも……。
「偽眼・魔眼……を使っているな、殺人事件だな?」
ニコラは頷き話を進めた。
「犯人は依然逃亡している。それに犯人と被害者の血の判別……結合臭がする……犯人の服か何処かに被害者の血が付着しているハズだ、くっ………」
ニコラは頭を抑えて膝から崩れ落ちた。
「良いからアンタらは早く行きな、ちょっと休めばすぐ良くなるから……それとヒョウ。アンタには最高のモノが用意してあるから外に出て奥のガレージ行ってみな」
ニコラ……恩にきる。と心の中で呟き日向ヒョウと蒼木アオは初仕事になる。
◇
「あ、ヒョウこれじゃない?このいかにも変形しそうなバイク!」
そのバイクは赤のラインが入っていて黒色をベースに色合いが日向ヒョウ好みになっている。
「良し、行くぜ!犯人は……ニコラの偽眼・魔眼の距離は……良し、こんな感じかッ……!」
日向ヒョウと蒼木アオが乗るとバイクは急に走り出したと思いきや俺達に向かって話しかけて来た。
「あらあら。久方ぶりですかねぇ……と、言ってもそれはさて置き。貴方達がワタシのパートナーでしょうか。それならば……そうですねぇ……以前はピン子などと呼ばれていたのでそう呼んでくださいまし。それでは犯人の元へと行ってみましょう☆」
なんだこのエッチなお姉さん音声付きは!。
と驚いてしまったが、流石はバイクで早くも犯人の元へと急行して足止めさせた。
「追い詰めたぞ殺人犯。証拠は既に上がっているぜ!さっさと観念しな!」
俺がかっこいい台詞を発しているとピン子が殺人犯の偵察を始めた。どうやら唸っているようだ。
「マスター、ワタシと合体しましょう」
普通の人ならここで驚き尻餅をついているが、俺はすぐに肯定した。
するとバイクは変形してスーツ姿になり俺と一体化した、どうやら戦闘用パワードスーツのようだ。
「あぁん♪ワタシの中にマスターが入ってくりゅう♡」
変な声を出すな!!とと怒鳴りつけて黙らせる。
「あの人は刃物を服の中に隠してあります。ですが……そんなのは正直皆無ですのでちゃちゃっとヤッちゃってくださいまし」
と、言われたので気絶させる程度の……
「バーニングゥゥゥゥゥゥ……キィィィィィィック!!」
背中の噴射口から爆発する程のエネルギーを消費してブーストダッシュ、脚からは燃える炎が絡みつき勢いが増した。
「行っけえぇぇぇぇぇッ!!」
第三章
もちろん犯人は呆気なく気絶して手足を縛る。
「良し、これで一安心……っておいアオ!」
俺がもう少し目を離していたら殺人犯はきっと首を切られて死んでいただろう。アオの手によって。
アオの目の色に輝きが無く、殺す事を目的に指には各六本の毒の爪剣が今にも殺人犯の首を切りかけている。
「アオ。良いか……俺たちの役目は殺人犯を捕まえる事だ。決して殺す事じゃない……例えそいつが殺したい程生かしておいては行けない奴でもだ……」
俺は多少、歯をくいしばる。
何故ならそう言う事が過去にはあったからだ。
家族を殺人犯に殺された十年前の記憶……しかし今はそう言う場合じゃない。ここで私情は無しだ。
「とにかくだ。初任務ご苦労さん。さてと殺人犯を連行してさっさと帰ろうぜ」
アオの瞳の色は元の水色に光を取り戻していた。
「忌まわしき闇の記憶……こんなモノ要らないよ。だって僕にはヒョウが……ううん。帰ろっか!」
アオが何やらブツブツ言っていた様だが上手く聞き取れなかった。
それにもう夕陽が差し掛かっている。
暖かな緋色の空が。
終章
本日、殺人犯は刑務所に連行され。
日向ヒョウと蒼木アオは事務所へと戻りいつも通り日向ヒョウは報告書を纏めて蒼木アオがいる屋上へと向かった。
「よう!今日の初任務お疲れさん!どうだ?慣れそうか?またこう言う事が沢山出てくるかも知れない……お前はこれからも付いて来るか?俺と……」
鉄柵の上に座りぷらんぷらんとさせていた足を止めて話し出す蒼木アオ。ふと考えると日向ヒョウは普通の人間であの喋るバイクが無いと力を発揮出来ない。それなら話はもう着いている。
「ヒョウは僕がいないと苦労しそうだからね!これからもよろしくね!僕達は紅と蒼の最高のパートナーになるよ!きっと!」
日向ヒョウはその蒼木アオの優しい微笑みに少し恥ずかしくなり頬をぽりぽりとかいてはぐらかしていると背後から扉が開いたと思いきや。
「あら?お邪魔だったかしら?ふーん。キスはまだだったかしら?ふふふっ」
昼間よりはかなり体力が戻っているニコラ。
とは言えキスはしないだろ!男だぞ!アオは!。
って何を赤面になっているんだアオと俺は。
「まぁ……ともあれ。ニコラのおかげで犯人が追跡出来たんだ、ありがとうな」
お代は高く着くからねぇ?とクスクスと笑うニコラ。
何をーっ!おい!また俺は水飲み生活かよ!と怒るヒョウ。
僕の居場所が、とても楽しい場所だったんだ!。
そうして日向ヒョウと蒼木アオの物語が始まる。
あとがき
こんばんは、いちごみるくです。
今作は日向ヒョウと蒼木アオがどのように出会ったか、それと過去のお話になります。
(ようやく書いたのかって感じですね)
もう皆様もお気付きの通り、蒼木アオくんはハデスによって召喚された毒の爪剣を持っていたデーモンが元(※ハデスはもちろん召喚する側なので記憶にない)なのですが何故地球に来たかと言うとウィンド兄の超振動が原因だが、それは本当はウィンド妹を救うべくして超振動が起動したのだがその周波に触れてしまっているのでシルフィードやシュガーなどが地球に来た理由ですね。因みに世界侵食の影響をアオくんが受けてないのは地球上に既にハデスがいるからですね、バハムートやスカル・ドラゴンも該当。ついでになりますが久しぶりにライダー・ピン子さんが登場しました。前に黒の流星と言う作品にライダー・ピン子さんがいたのですが抜け殻でコアが無い状態だったのですがここで戻って来ました(※黒の流星との作品とは何ら関係性はありません、あくまでスペシャルゲストのピン子さんです)
さて本当にこの白髪騎士シリーズは完結になりますが、読者様本当に最後までお付き合いいただきありがとうございました!またどこかでお会いしましょう!それでは!。