神威大和VS日本芸能界の闇(2)
さて、あのお方とは、おなじみの芸能の神、弁財天だった。
そして、弁財天に弟子入りした杉田玲奈を連れている。
弁財天は会議室のソファに座り、含み笑い。
「神威君、どう仕掛けるの?」
神威大和も少し笑う。
「単に麻薬と脱税、暴行、パワハラ、セクハラで逮捕だけでは意味が無いかなと」
「マスコミも同じ穴のムジナで、まともに報道しない場合もある」
「そうなると、涙の謝罪と復活とか、そんな記事を書いて元に戻ってしまう場合がある」
根津二郎も口を開く。
「全国土下座ツアーですかい?涙の謝罪とか、初心に戻ってやり直し、それをウリにする」
「親とか子供、死んだ祖父母までネタにして、お涙頂戴を狙う」
「まさに臭い芸ですな」
杉田玲奈も悔しそうな顔。
「先輩のアイドルに聞いたんです」
「演歌の大物にセクハラされるなんて、当たり前」
「もっと・・・酷いことも・・・」
「それを断れば、酷い噂を流されて」
「実家とか友達にまで、ヤクザがうろついて」
「警察に言っても、実害がないと、捜査はしないらしくて」
「いや、実害があっても、捜査しない場合もあるって」
森田愛奈も難しい顔。
「当局にも裏金を渡して、結果的に犯罪を野放しに」
「本人は、お偉いスター気取りで・・・」
「泣き寝入りの人が、どれほどいることか」
弁財天は、厳しい顔。
「ロクな芸の力もないくせに」
「そんな輩は許しません」
神威大和は弁財天に聞く。
「と、言いますと・・・」
弁財天は厳しい顔のまま。
「思いっきり、本当の実力を思い知らせます」
その弁財天の「策」が、全員の頭にテレパシーのように入った。
と同時に、全員が面白そうに、頷いている。




