神威大和VSテロ計画(2)
「そうか、そう言い逃れをしたいのなら」
神威大和の声の質が変化した。
ときかく、低く、重く、強い。
すると、スマホ剣士の身体が固まったような、金縛りのような、身じろぎも出来ない状態に変化した。
「あ・・・アジトは・・・仰せの通り・・・市ヶ谷駐屯地の中に・・・」
「そこと連絡を・・・スマホで・・・」
出て来る言葉も、ガチガチに震えている。
神威大和は、スマホ剣士に、厳しく迫る。
「目的は何だ!言ってみろ!」
スマホ剣士の身体は、ますます硬直。
しかし、今度ははっきりとした、物言いになる。
「日本の革命のため!」
「旧来の歴史を全て消し!」
「全く新しい日本を作るため!」
「その手始めとして、国会図書館を爆破!」
「その混乱に乗じて、国会を爆破」
「霞が関も爆破!」
「国の中枢を、全て炎上させ、革命政権を樹立!」
「その連絡を取っておりました!」
公安庁長官、刑事局長、警視総監が真っ青な顔になると、森田愛奈が根津二郎から渡された封筒を、それぞれに配る。
封筒から中身を取り出すと、確かに「暴力主義革命、国会図書館爆破計画貫徹!」と赤い文字で書かれた計画書が出て来た。
神威大和は、その顔を公安庁長官、刑事局長、警視総監に向けた。
「私の部下が、探索をしました、全て事実です」
「即時、対処を願います」
その言葉と同時にスマホ剣士が正気を失い、床に崩れ落ちた。
その手に持ったスマホの画面には、確かに「暴力主義革命、国会図書館爆破計画貫徹!」が表示されている。




