神威大和VSテロ計画(1)
「おい!そこでスマホをいじっている奴!」
神威大和が、いきなり大声を出した。
途端に剣士たちがザワザワ、顔を見合わせる。
「俺は持っていない」
「誰だ、こんな時に」
「どこの署だ?」
神威大和は、厳しい顔。
「さっさと出て来い!」
「誰がスマホをいじっていたか」
「何をしていたのかは、既にわかっている!」
その言葉に。公安庁長官、刑事局長。警視総監の顔が変わった。
そして、神威大和に近寄った時に、道場の扉が開いた。
森田愛奈は、道場に入って来た男に、ウィンク。
スーツ姿になった根津二郎(鼠小僧次郎吉)だった。
根津二郎は、そのまま森田愛奈に何かの封筒を渡し、また姿を消した。
神威大和の目が、再び光った。
すると、剣士たちの最後列に座っていた若い剣士が立ちあがった。
「俺です?」
「ああ、確かにスマホはいじっていましたよ」
「何で?って言われても、呼ばれた理由もよくわからないし」
「強そうな人がいて、立ち会っても勝てそうもない」
「どうせ座っているだけと思って、暇だから」
とにかく、話の仕方もいい加減、真面目さのカケラも感じさせない。
神威大和の顔は、厳しいまま。
「お前たちのアジト、あちこちにあるけれど」
「今の本部は市谷か?」
途端に、スマホをいじっていた剣士の顔が変わった。
「アジトって何ですか?知りません・・・」
神威大和は、スマホ剣士の動揺を、厳しく見据えている。




