伝説の剣士VS現代の剣士(5)柳生十兵衛登場
「俺が出る」
現代の剣士たちの後ろに座っていた男が立ちあがった。
途端に、現代の剣士たちから、ザワザワとした声が起きる。
「狂犬・・・・喧嘩剣法で・・・いつも反則負けの?」
「いや、狂気の剣とも・・・何人か瀕死の重傷に」
「興奮すると、手がつけられない」
「正統派ではない・・・でもルールがなければ、一番強いかも」
柳生十兵衛は、含み笑いをしながら、既に道場の中央に立っている。
そして「狂犬」と言われる剣士を見る。
「おい!真剣にするか?」と、軽口をたたく。
「それくらいでなければ、気合が入らんだろう」とも、続ける。
「狂犬」と言われた剣士は、十兵衛を小馬鹿にしたような顔。
「何だか知らねえがな、偉そうな口を叩くな」
「死にてえのか?お前」
十兵衛は、今度は嘲笑。
「このたわけ!柳生新陰流をなめるな」
「お前らのような、棒振り踊りではない」
「狂犬」の顔に朱が入った。
「柳生新陰流?どこの時代劇だ?」
「斬り役と斬られ役が決まってたんだろ?昔から」
「まあ、いいか、死なない程度に」
そして、道場の中央に進み、十兵衛と対峙、睨みつける。
小次郎と武蔵は、面白くなさそうな顔。
小次郎
「要するに、鍛錬不足で剣がまともに振れない、だから反則やら小細工を使う」
武蔵
「あの足の運びは酷いな、隙だらけ、狂犬まがいの剣と言っても、ただの弱い者と立ち会った時だけ、だからまともな剣士には通用しない」
神威大和は、十兵衛に「こいつは手加減はいらない」と声をかけている。




