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伝説の剣士VS現代の剣士(4)武蔵の面打ち

武蔵が道場の中央に立った。

「宮本武蔵だ」と名乗ると、あちこちから失笑が起きる。


「は?たまたま虚をつかれて日本一の剣士が負けたけれど・・・」

「小次郎って言ったよね、虚をつかれなければ負けることない」

「油断したのさ、あまりの馬鹿馬鹿しさに」

「その上、今度は武蔵?笑っちゃうよ」


武蔵は、最後に「笑っちゃう」と言った若い剣士を、手招き。

「おい!こっちに来い」

すると若い剣士が立ちあがって、武蔵の前に立つ。

そして、せせら笑う。

「いいんですか?本気で打ちますよ、今度はあんたが担架ですよ」

「俺だって去年の大学日本一、剣の速さでは、誰にも負けない」


武蔵は、そんな若い剣士に呆れ顔、そして忠告。

「おい・・・お前、首は鍛えてあるのか?」

「歯を食いしばれよ」

「そうでないと、死ぬぞ」


しかし、若い剣士は、プッと笑う。

「あのさ、おっさん、さっきの人は偶然負けたの」

「小次郎さんって人が、あまりにも変な技を使うから、虚をつかれただけ」


そんな問答の中、審判の「はじめ!」の声がかかった。

去年の大学日本一、若い剣士は中段に構え、武蔵に向かって竹刀を振る。

「まずは、ジャブ程度に・・・でも、これを交わした奴は少ない」


しかし、次の瞬間だった。

武蔵は上段から、若い剣士に、豪快な面打ち。

そして、直後に若い剣士は、崩れ落ち、立ちあがれない。


武蔵は呆れたような冷ややかな顔。

「頸椎捻挫程度にしておいた、二割の力だ」

「久々に二刀流を使いたかったけれど、こいつじゃ無理、いらない」


小次郎と十兵衛は、面白くなさそうな顔。

小次郎

「どいつもこいつも、鍛えとらんなあ、武蔵も相当手加減したのに」

十兵衛

「俺も、相当手加減しないとなあ・・・やめるかな、意味がない」


神威大和は、動揺している現代の剣士を、面白そうに眺めている。


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