鼠小僧次郎吉の改名?
「一定の断罪を行ったところではあるが」
事務所内相談室で神威大和は、厳しい顔を変えない。
森田愛奈が質問。
「ヤクザを襲った正体不明の男たちとは・・・あの武人さんたちですよね」
「小次郎さん、武蔵さん、十兵衛さん、雷電さん」
神威大和は、表情を少しやわらげた。
「殺しまではさせていない、痛みを感じさせるようにと頼んだ」
「彼らなら一瞬で痛みを感じさせないで殺すことも、できる」
「しかし、それではヤクザにとって楽過ぎる、痛みも辛さも感じない」
「ただ、襲ったわけではない、武人たちが顔を見せた瞬間、武器を持って追い返そうとしたのは、ヤクザたちだ」
「ヤクザたちが、武人たちに底知れない恐怖を感じて、そうなった」
鼠小僧次郎吉が入って来た。
少し困ったような顔。
「ねえ、神威さん、あちきの名前変えていいです?」
「どうにもこうにも、鼠小僧次郎吉だと、当世風じゃないって、言いますかね」
これには神威大和と森田愛奈もプッと吹く。
神威大和
「そうだねえ、誰かに物を聞くにも・・・」
森田愛奈
「鼠小僧でも、次郎吉でもねえ・・・笑いますよね、それは」
鼠小僧次郎吉
「当世風の名前で、何かないですかね」
神威大和
「探偵風の名前かな」
森田愛奈は必死に小説の探偵を思い出す。
「浅見光彦とか・・・金田一耕助・・・明智小五郎とか・・・」
そんな話をしていると、杉田玲奈が事故に遭った少女春香とその母吉村恵美を連れて相談室に入って来た。
特に杉田玲奈と吉村恵美が、何か相談事があるような表情をしている。




