サタンの断罪(2)
痒みと痛みが酷くなり、病院長は目を覚ました。
懸命に首を動かし、病院長室を見る。
しかし、誰の姿もない。
立ちあがることもできない病院長の耳に、恐ろしく低い声が響いて来た。
「端的に事実のみを告げる」
「まず、お前の医師免許は剥奪、無効化された」
「当然ではあるが、東京都医師会からも追放処分が決定」
「この病院の入院患者は全て、他の病院に転院済み」
「尚、看護師も同じく」
「全ての設備は、売却済み」
「その上で、お前が持つ全ての金融資産、貴金属、隠し金庫にあった現金も含めて、全てお前の医療事故の被害者に渡した」
「つまり、お前は身分もなく、無一文になる」
「お前の妻子は愛想を尽かし、家を出て行った」
「お前の不動産も、その際に売却済。代金も分割して医療事故被害者に賠償」
あまりの衝撃に、再び病院長は失神してしまった。
また。病院長と結託していた、地元ヤクザたちにも、サタンの厳しい罰が下った。
いきなり、正体不明の男たちに襲われ、怪我を負い、全員が不具者に。
不正蓄財は全て暴かれ、国庫に没収されてしまった。
病院長、地元ヤクザと結託していた地元警察にも、厳しい処分が下った。
全員が懲戒処分となり、解雇。
人員の総入れ替えとなった。
および、不正な資金を受け取った、都医師会、都庁官僚、政治家たちは、連日マスコミに報道され、国会でも追及を受け、退職を余儀なくされるのは当然、自分の家の玄関から出ることもままならず、今後の生活の見通しも立たない状況に追い込まれている。




